るる

ラビリンス/魔王の迷宮のるるのネタバレレビュー・内容・結末

ラビリンス/魔王の迷宮(1986年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

主人公の衣装がね、考えられてるよね、ジーンズ履いてるんだけど、上半身だけ見ればドレスのようで。現代ファンタジーをうまいこと表現してるなと。

おっさんなのに美しいデヴィット・ボウイ。V系は苦手だが彼なら許せる、桁違いのカリスマ性。なんかちょっと表情の作り方とかから唐沢寿明を連想した。歌のシーンがまた、MVとしてはもうかなりダサいはずなのにキマってるのがすごいよね。

手作り感あふれるファンタジー世界、肌触りを感じられて、嫌いじゃない。パペットと人間の共演など、昔のNHK教育番組のような安心感。手が喋るのはナイスアイディアだなあ。

ストーリーは、ケムシの登場、落下シーン、理不尽なルールのゲームなどなど、アリスを連想させるつくりだが、その単純さを、ちょくちょく登場するデヴィット・ボウイの魅力で持たせている。仲間を増やしていくあたりはむしろ、オズの魔法使いか。アメリカ製アリスという感じ。シンデレラなど、プリンセスものも取り入れられて、女の子の夢が詰まってる。

少女が演劇(ごっこ遊び)やお話作りに夢中になっている様子からはピーターパンを連想させる。魔王といい、異世界の連中がみんな、なんだかんだ言いつつ赤ん坊や少女に優しいのは、まさにネバーランド。

異母弟の子守りにウンザリして、過ちを犯し、さらわれた赤ん坊を探しに旅立つ主人公というのは、思春期の少女だけでなく子育てに悩む若い女性や、母性についての物語を思わせて、ターゲット層は子供に限らず、デヴィット・ボウイ・ファンの女性客を意識しているのかなと想像できて面白い。

古さにもアジがある。ファンタジー好きなら一見の価値ありかと。
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