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ビューティー・インサイドのazuureのレビュー・感想・評価

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)
3.7
タイトル通り、見た目ではなく心に惹かれて恋愛をするというテーマが本軸としてありましたが、1対1で恋愛をしているはずが世間からの目であったり評価などがイス自身の大きな悩みの種の1つとなっていたことが非常に印象的。
(もちろん、見た目に慣れるには1日では足りないという台詞など肉体的、精神的な苦痛もありながらですが)

これは見た目が目覚めるたびに変わると言う突飛な設定でありながら、日常の私たちの恋愛やそれ以外の人間関係でも言えるような事柄。

”2人”で恋愛をしているはずなのに、お互いが最もその人に惹かれていることを分かっているはずなのに、誰かからのチクリとした善意の皮を被ったアドバイスや、批判的な目に惑わされて逃げ出したくなるというのは誰しも経験があること。

だからこそ、ファンタジーではなくリアリティを感じながら作品に入り込むことができました。

穏やかに流れる美しい色合いの映像と音楽が心地よく、これだけ多くの出演者がいるにも関わらず情報量が過密にならずに観続けられるのは圧巻。

何よりも1番心に残ったのは、イスがお父さんに対して亡き母が生きていたら何をしたい?という問いに「一緒に歳をとること」と答えていた言葉の重み。それができるのに逃げてしまっていると心のどこかで感じているイス自身が、本当の気持ちに向き合う背中を押す言葉のように感じました。
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