中身は同じだが外見がコロコロ変わる人を愛せるのか?、というラブファンタジー映画。
寝て起きると人種、性別、年齢などを含めた外見全てが変わってしまうというトンデモ設定で、間違ったらイタくてサムくなりそうなものの、役者の絶妙な演技や映画全体を包む落ち着いた雰囲気のおかげで許容可能だった。
「人が人を愛するとは?」という普遍的なテーマを優しく投げかけてくる素敵な映画でした。
<余談>
「自分の好きな外見じゃないと、中身を知ろうと思わない」
これはあるアイドルの言葉だが、スッと受け入れにくいものの、確かに一つの真理はついてる気はしている。
一方で、「人は見た目じゃなくて、中身だよ」という母の言葉がある。
どちらかと言うと、僕は母の言葉を支持したいと思ってはいるんだが、正直そう割り切れない気持ちもあるのも事実だ。
「カワイイ子とブサイクな子、どっちが好き?」
そんな安直な質問は誠にバカらしいが、そんなバカらしい質問にもスッと答えれない自分もいる。
でもそこにこそ人間の持つ隠したい欲求や欲望が潜んでいるような気もするのだ。
もちろんカワイイやブサイクを測る美の基準なんてものは各々で違う訳だが、それでも一般的に人間は汚いものより美しいものに惹かれる生き物なんだと思う。
外見or中身。
そんな葛藤は、今作で描かれるものにも当てはまるものだが、外見を超えたその先に行きたいものだ。
そこを考えてみることで、愛の本質が見えてくるかもしれない。
外見or中身からの脱構築。