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ナタリー・グランジェ(女の館)のsonozyのレビュー・感想・評価

4.0
『愛人/ラマン』の原作者程度の知識しかないマルグリット・デュラスさん、映画監督もやってたんですね。
(アテネ・フランセ文化センターで7/25〜特集上映のようです)
という事で、ネットで探して見てみましたが、何とも不思議な魅力の作品。

2人の女、ルチア・ボゼーとジャンヌ・モローとその家(館)が主役。
ルチアには2人の娘がいるが、下のナタリー(作品タイトル)が学校で暴力をふるい、手に負えないと先生から退学の通告が。
(ルチアの夫らしき男も冒頭ちらっと出てくるがその後は出てこない)
仕方なくナタリーを寄宿舎に入れることにしたルチアだが。。

部屋がいくつもある館、黒い飼い猫。
庭も小さな森のように広く、池&ボートもある。
ラジオからは殺人犯の少年2人が逃げているというニュースが流れる。

ルチアとジャンヌは部屋をうろついたり、庭で小枝を集めて焚き火したり。
娘2人が練習するピアノ(姉は上手だが、ナタリーは下手)と、時折流れるその音。

突然やってくる洗濯機のセールスマン(ジェラール・ドパルデュー)のおとぼけぶり。
庭でナタリーがベビーカーに猫を乗せるが逃げ、ベビーカーを放置するシーン・・・

2人の女の関係も、ナタリー(見た目は普通に可愛い女の子)の暴力の背景も分からない。
作品のメッセージも読み取りにくい。

でも、なんだろう、この不思議な魅力は。笑
ルチアとジャンヌが一貫してクールなのと、ジェラール・ドパルデューとのやり取り(笑)も好き。

撮影監督を見たら、ロベール・ブレッソンやジャック・ドゥミを支えたギスラン・クロケでした。

(参考)
マルグリット・デュラス特集(7/25〜27)
http://www.athenee.net/culturalcenter/program/du/duras.html
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