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ナタリー・グランジェ(女の館)のTOTのレビュー・感想・評価

4.2
‪女と女友達の気怠げな会話、危険行動から退学させられそうな娘、ラジオからは近くに潜む少年殺人者のニュース、突然の来訪者。
家の外と内に嵐、異なる暴力の気配。
男は不安げに立ち去り、でも女と家はそこに在る‬。
‪女たち、少年殺人者のニュース、突然の来訪者である売れないセールスマンの男は、伝統的な男社会、女らしさを求める規範、資本主義から外れた存在として家の中で結びつく。
人は幽霊のように、出来事は空気のように通り抜け、家は受容しながら循環する装置となる。
ジャンヌ・モローはどこまでも貫禄があって美しく、家と庭を行き交う黒猫が目を惹きつけ、ルチア・ボゼーもまた黒猫のように蠱惑的、若ドパルデューとの禅問答のような会話に笑う。
床のタイルが特徴的な屋内では人物は全身が入るほどに、屋外では建物と庭を背景に遠く近く移動する人物を映す、ギラン・クロケの撮影が素晴らしい。
助監督がブノワ・ジャコなのね。
面白かったな。
前日に観た短編3本があまりノレなかったので行くか迷ったけど、予定してた日本語字幕フィルムが見つからず、急遽英語字幕上映になったとかで、料金が無料だった。わーい。
しかも次回サービス券もらえた。わーい。怪我の功名。
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