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はじまりへの旅のayukaのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
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わたしの夢は大真面目に言って、本当に、大学のゼミの先生も知ってるくらい、ヒッピーになることだから、この映画をみといてよかったと心から思った。

社会から離れて森で暮らす父親のベンと、6人の子供たちのお話。目を疑うほどの、子供たちの身体能力と生命力の高さ、そして知的さ。学校にイヤイヤ行くそこらへんの子供たちよりもよっぽど優秀かもしれない。けどもっと基本的なことが分からない。もちろん携帯なんか持たせても何もできないんじゃないかな。

社会に下りていった時の自分たちと世間のギャップ。妹夫婦とベンの教育方法の違いは天秤に掛けられるようでなんだか辛かった。どちらが正しいということもないから。親がどちらで子育てをするのを選ぶか(この場合は森と社会)、というので子の人生や生活様式はがらりと変わってしまう。2つ選べれば良いけど、それはほぼ不可能というのがまた責任重大というか。でもどちらを選んでも、親が子の親で居続ける限り、正解なんだと思う。

親子関係において、最終的にわたしがこの映画から感じたのは、どんな親であろうとも子からすれば(反抗したりしても)立派な親であって、そして親は子から離れてはいけないってこと。たぶん。

幼い頃なんかは特に子には選択肢がないから、親が慎重に考えないといけないなあ、というのを考えさせられました。いつかヒッピーになって、子供ができたら、親子ヒッピーでハッピーに過ごしていこうかな〜なんて考えてた私は無責任でした〜、、。

あと最初の方、ボウが手紙を開けたシーン、彼の表情が胸をギュッと締め付けました。自分の夢と、家族の望む環境とが正反対にある時の苦しさ。そんな思いを子にさせたくはないね!

思想というのは少し頑固なだけで、そのつもりは更々なくても宗教っぽくなったり時にカルト扱いされるものだと思います。キャッシュ家も理解されぬことばかりだったけど、彼らには彼らなりの生き方やセオリーがあっただけ。妹夫婦を、方針の違いだけだと言ってまるごと受け入れたベンのような態度がこれからの世界には必要だとおもいます。ベンから見たら妹夫婦が異様だからね。

そしてラストシーン、これはなんだか私は、観客に委ねますみたいな感じだと思ったんですがどうでしょう。ベンの表情と子供たちの様子と生活様式、いろいろ思いを巡らされたラストシーンでありました。

最後にイントゥザワイルドフリークとして。ボウがキャンプ場でヨガやってるシーンはあれはスラブスのオマージュか、もしくはインスピレーションを受けたでしょ!!!って思いました。

、、めっちゃなげえ
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