Takaomi

はじまりへの旅のTakaomiのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
3.3
ゆるいコメディかと思ったらなかなかにハードなヒューマンドラマでした。
教育とは宗教とは家族とは何かを母親の死をきっかけに考えて行く作品です。もう少しロードムービー感も欲しかった気もするけど。

自給自足の生活って憧れではあるけれど、ここまではできないのを痛感したし、どこか彼らの生活を奇妙だなと否定している自分がいた。
この作品の狙いはそこだと思う。人は自分にないものを拒絶する習性がどこかに隠れている。そうして差別や偏見が始まってゆく。

彼らにとってはその生活が当たり前であり、僕らの生活を理解するには時間がかかる。しかしそこにも親の考えによるエゴ。差別や倫理観の間違いがあったり、行き過ぎれば虐待になってしまう。
人に対する思いやり、コミュニケーション不足やミッションと言って万引きやトレーニングをやらせたり、謎な儀式を強要させるとかそう思わせるシーンもあった。

なにが正解で間違いなのか、興味を持つことを押さえつけてはいけないことに、父ちゃんが気づいてくのも見どころです。
家族で共有することがあるのも大切だけど、それ以上になにかを否定していることに気づき受け入れることが大切。
それができたら固定概念という殻が破れ、またひとつ新しい世界が見えてくる。大自然の中での家族の音楽セッションは、やりたい。

ただ考え方やこの映画の倫理観が僕には合わなかった。
Takaomi

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