TAK44マグナム

シェイドのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

シェイド(2003年製作の映画)
2.3
ガブリエル・バーン、スチュワート・タウンゼント、メラニー・グリフィス、ジェイミー・フォックス、そしてシルベスター・スタローンと、意外と豪華なキャストでおくる騙し合いポーカーサスペンス。

まずね、これ、話がどうにもみみっちい。
大金が賭けられるポーカーの大勝負を題材に使っているのに、全然そんな雰囲気が伝わってこない。
基本的に騙し合いばかりに終始しているので、例えば「ハスラー」のような男の勝負というか、熱気ムンムンも感じられず。
あんなにムンムンなスタローンが出ているのに・・・。

お話もよく分からないところがあるんですよね。
多分、描かないといけない部分を端折っちゃっているので、どうしてこいつがこいつを騙さないといけないのか?という根本的な理由すらよく分からないまま終わってしまいます。
なので、カタルシスもへったくれもありません。

例をあげると、ジェイミー・フォックスのことをタレこみする密告電話があるのですが、なぜ密告するのかが解りにくい。
別に密告する必要がないように思えちゃうんですよね。
それどころか密告することによって密告者自身の命も危険にさらすことになるし。
一応、理由はあるっちゃあるんですが、話の繋ぎ方がド下手な為か、それが観ているこちらには伝わらないのが問題です。
何を言っているのか分かりづらいかもしれませんが、本作を観れば何を言わんとしているか理解できると思います。
はっきり言ってしまえば、○○○○○○という人間が仲間も平気で売るような下衆であるという描写をちゃんと挿入していないからいけないんだよな〜!

あと、シナリオ上の最大の問題点がクライマックスにあるっていうのも驚きでした。
ネタで驚かせないといけないのに、支離滅裂なシナリオで驚かせてどうするのよ・・・(汗)
ラストにどんでん返しがあるわけなのですが、これも何故に○○○○○が○○○を裏切るのかがパーフェクトに理解不能で、「・・・は?」と、呆れたままエンドロールに突入。
いや、裏切る理由さえ、ちゃんと描かれていれば別に良いんですけど、伏線らしきものさえ無かったような気がしますよ?
なんか過去にミスしたからどうたらとか、イカサマトリックの師匠である教授の言葉とか、もしかしたらあれが伏線だったのかな・・・?とも思えるのですが、どちらにしろ分かり難くすぎるのにもほどがあります。
監督・脚本が素人に毛がはえたような人物(なにしろ本物のギャンブラーらしいです)なのが、そもそもの原因な気がしない訳でもないですな・・・(汗)

総じて、登場人物がどんな人間なのかが描けていないのがダメダメの元凶でしょう。
スタローン演じる伝説のギャンブラーも、どうにもフワフワした印象しか受けないし。
スタローンは一生懸命、知的な面を見せようとしていますけど、あまり凄腕ギャンブラーには見えず(苦笑)
さすがに貫禄はそれなりにありますけどね。

冒頭の、ガソリンスタンドで指輪を落としたふりをして金を巻き上げる詐欺は、他の映画(ドラマかも?)でも全く同じ場面があったので、既視感たっぷり(苦笑)

全体的に、どうにも地味で古臭い雰囲気の映画です。
どうしてこんな豪華なキャストが揃ったのか・・・大金を扱う内容の映画だけに、やはりお金の力なのでしょうかね?
テレビのスペシャルドラマでちょうど良いレベルの凡作です。
唯一、突然のSMショー開催と思わせといて・・・の場面は面白かったです。
「エクリプス~~!!」(笑)


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