JIZE

デッドハングのJIZEのレビュー・感想・評価

デッドハング(2014年製作の映画)
1.4
高層ビル!武器なし!逃げ場なし!究極のスリル!!..と予告上での期待煽りは究極的にもMAXだった為,並標準程度の面白さ(カタルシス)は担保されてるんだろうなと大いに踏み今作鑑賞に挑みました。

が結論から言えば,ジャンル映画として上記で述べた予告上での煽りPRの卓越さを全て駄目な方向に乱用しては具体性を持ち合わせず繋がりもほぼ雑処理される始末。予告上での煽りPRもむしろ"低層ビル!武器あり!逃げ場あり!並程度のスリル!!"ぐらいの方がハードル的に良かったんじゃ感は残る。要するに,全ての繋がりが抽象化され過ぎた結果,起こり得る事象が全て不自然かつ不必要。後だしジャンケンな箇所も勿論ありました。繋がりのある定義的な理由付けが序盤中盤で全て抽象化され過ぎた為,終盤での伏線が全く活きず行き当たりバッタリに処理されては流動的にも次場面に移り面白味を宿さずに着地。最悪の悪循環ですよね。これ程面白くない方向に物語を転がす事は逆に容易ではないと感じました。

物語でも冒頭ジェーンが彼氏レイとボクシングの練習をラブコメ感を織り交ぜやってる描写。あれ程不自然な伏線出しはないだろ!...と終盤で真犯人と対決する際に伏線回収されるのが明白にも明白。あと警備員ラモントの一切活躍せず人件費カットした方が..感や修理屋ロバートの理に落とされない救世主的登場。あれはロバートじゃなくレイの役回りだろ!!と心の中で何度も叫びました。理由は彼氏なので。タフトと真犯人の関係性も忠誠心がない為にあの行動に出るってね..今までよく一緒に仕事出来てたな感等,人物面においても個性付けの不自然さや曖昧さは抽象的に全てを構築してる分当然にも残る。

従い,予告上のPR煽り風に言えば究極の駄作!!『ノア』に続くワースト候補も視野に入れ考えます。これなら3月に鑑賞した同じ閉鎖空間に閉じ込められる系ホラー『クリスティ』の方が何十倍も楽しめた。主人公の既存能力が高いのは15歩譲ったとしても真犯人の周囲を把握出来ず頭が軽そうなあの性格は犯人像としても本当ないです。制作側が鑑賞者を楽しませる気がないと悟ったのはぶっちゃけ冒頭のボクシング場面。真犯人の気質が知能犯ならまだ今作を楽しめたと思う。エレベーターに閉じ込められる展開に全てを集約し過ぎたのが一定以上の開放的広がりを見せず今作を駄作に導いた。久々に裏切られた気分です。前に評したドラン作品の『トムアットザファーム』の方が100倍楽しめましたね。駄作過ぎて物語のエピソードを掻い摘み解説する気すら今作には起きなかったです。無駄な時間を堪能したい方は是非,オススメで.....!!
JIZE

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