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マクベスの79のレビュー・感想・評価

マクベス(2015年製作の映画)
3.3
マクベスの話知らないとこの作品でストーリーを理解するのは難しいかもな。
シェイクスピアの脚本はだいぶ何言ってるかわからんので、解釈する人によってニュアンスも大きく変わるだろうし、今の人が理解しようとするとその解釈を読むだろうから人によってマクベスの印象も全然違うのだと思う。この作品のマクベスは結構やりたい放題で頭おかしかった。笑

マクベス夫人が幻覚幻聴に侵されて夜な夜な手についた血を洗い続けるシーンも、実際に手を洗うという映像表現ではなく幻覚幻聴に染まってしまっているのが伝わる、"シェイクスピアのセリフ"だけで表現されている。一人芝居であのシーンワンカットのみ、マリオンコティヤールの演技力には圧巻だが。

衣装はとても綺麗。ビジュアルの2人のカットもとても良い。

シェイクスピアの時代って、日本人が昔和歌を読んだのと同じように、言葉とかセリフでその人らしさとかクリエイターの表現ができる、それがすごい!って時代だったんだろうなあと思う。でも今の時代は映像もあるし、原作忠実の脚本は映画では難しいよなあ。演劇でも十分理解難しいけど、映像はロケーションもあるし時代が忠実に表現できるんだから脚本も変えたら?と思う。。

スターチャンネルに入ってたときの録画を見たけど、字幕でうーん。
マクベスのセリフ「女の腹から生まれたものはマクベスを殺せない」は、忠実には「女の股から」だと思ってたんだけど。あれだと厳密にはマクダフも女の腹から生まれてることには変わりない。

本作は早瀬耕「未必のマクベス」を読んで、マクベスのおおよそのストーリーを理解した上で鑑賞。これは面白かったよ。マクベスも決して悪いやつじゃないと思う。
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