横暴な夫にひたすら耐える原節子の被虐的な姿を通して彼女に本来備わっていないはずのエロスを醸し出して川端康成ワールドと自分の世界との調和をはかる成瀬演出の見事さ。でも夫を演じる上原謙があまりにも怖すぎ…
>>続きを読む本日の巣ごもり鑑賞。
川端康成原作。
鎌倉で裕福で不自由なく静かに暮らす老夫婦と息子夫婦を軸に、迫り来る老いと家族の軋みを描いた原作。
原作では、それぞれの深層にある心理が、ふとした出来事で滲み出た…
山村聰の老けメイクの手の凝りよう。終始「ニコニコ」を強いられる原節子は「東京物語」ほど感情を抑制せず、上原謙を見つめる顔などモロ仏頂面で素晴らしい(山村聰が「緒ずれ」のつまらない話を延々に聞かせると…
>>続きを読む新文芸坐にて、『没後50年 名匠・成瀬巳喜男 戦後名作選』として『あにいもうと』との2本立てて鑑賞してきました。『山の音』は川端康成原作なので楽しみに観にいってきました。
原作にある、冒頭の山の…
殴る蹴る描写を省略せざるを得ないのは良くも悪くも日本映画らしい。あまり晴れ晴れとしない内容なんだけども、この時代から人間性に迫るテーマを扱ったことに関しては素晴らしいと思う。成瀬巳喜男は全く色褪せな…
>>続きを読む【1954年キネマ旬報日本映画ベストテン 第6位】
川端康成の同名小説を成瀬巳喜男が映画化した作品。主演は山村聰と原節子。
この年のベストテンは歴代でダントツのレベルの高さだと思っている。だって1…
圧巻の原節子。演技力とか美貌とかそういう次元を超越しちゃってる。原作者・川端康成の小説ってのは、根本的に男性目線での女性像、ありえないくらいの聖女かその他大勢(モブキャラ)かってイメージなんすけど(…
>>続きを読む成瀬巳喜男監督作品!
一つの家族が離れ離れになっていく様子を描いた一作!
戦後の鎌倉が舞台で重苦しい雰囲気の中にも切なさがあります🙂
小津作品のような雰囲気がありますが、違う視点で描かれたホームド…
不出来というわけじゃないけれど、中途半端に小津安二郎に接近した結果なんとも微妙になったような印象…。
本作だけとったらたしかに「小津は二人いらない」と言われても致し方ないが、成瀬は他に確かな傑作名…