川端康成の小説の映画化だがタイトルの「山の音」は聞こえてこない
上原謙より1歳年下らしい山村總が父親役をしていることに驚くが、人生に投げやりで不倫を繰り返す息子に苦しめられる嫁との、思いやり以上…
乱れに乱れまくった昨今ならば嫁(原節子)と老け役の義父(山村聰)で間違いでも起こりそうな筋ではある。三島由紀夫曰く接吻だけで自決する大正の女性の貞操観念から戦後の昭和で緩くなったとは云っても劇中の家…
>>続きを読む【同盟戦線】
自分は昭和初期〜中期を描いた邦画がたまらなく好きである。
特に好きな邦画監督なら迷わず小津安二郎をあげるし、好きな俳優なら笠智衆。
そうなって来ると好きな女優は原節子になるはずだ。
…
横綱大関級の作り。
原作こんなにスピーディーだったっけ?──と面食らうぐらいにすべての場面がキビキビしてて、そのまんま四時間ぐらい観ていられそうだった。最初の山村聡さんと原節子さんの正面切り返しのと…
冒頭から何度も映される家の前の細い道や、それに呼応するかの如くラストに現れる公園の並木道と奥行きのある空間表現が素晴らしい。山村聡が事務所で秘書に詰め寄る場面なと、視線を動かした次の切り返しで人物が…
>>続きを読む小津に限りなく寄ってるようで、成瀬だなあってなる映画。夫婦の不和をすれ違いのワンショットで見せるのは流石。映画史上まれにみるクズ旦那に、堪え忍ぶ原節子の泣き笑いの顔が凄い。起こっていることはえげつな…
>>続きを読むちょー怖い。嵐のシーンなんて、特に。
登場人物にしゃべらせているなか、フレームの外の人物が動き、その影の動きだけが映される。
一見は平穏な日常の外にある淀み、踏み込みすぎない節度をもって、そのどろど…