井出

彼は秘密の女ともだちの井出のネタバレレビュー・内容・結末

彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

これを同性愛の映画だと言っても良さげな感じもするが、どうして同性愛と呼ぶのに少し違和感があるのだろう。それは、彼女たちが、女友達だからなのではないかと思った。つまり、この関係性は友情でもあり、性的な結びつきでもあり、断定することができない。こう考えると、同性愛や異性愛というような性愛に関する言葉の定義に曖昧さを感じざるをえない。
思えば女友達の肌の触れ合いは、男にとっては異常である。男はお互いに、あれほどまで髪を触り合うことはない。ヴィルジニアを生んだのは、ローラとの最後の触れ合いによるものではないかと思えてくる。こう考えると、女同士の友情って面白いな。全てがこうだとは思わないけど。
17歳では、家族と自分による身体の所有の話。今回は友達と社会による身体の所有。社会に所有される限り、社会通念に従わなければならない。男性と女性という簡単な二分論に従うことは、恋愛や結婚などの制度を便利に利用できる一方で、それに従わなければ社会からはみ出される。我々は社会に所有され、支配と保護を受ける。オゾンは相当な社会学者だと思う。
あの娘は、ローラとダヴィッドと、クレールとヴィルジニアの子なのかな。
ちょっと見直したい。
井出

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