かえるのエリー

ステインボーイのかえるのエリーのレビュー・感想・評価

ステインボーイ(2000年製作の映画)
4.0
5分程度の映像が(多分)全6話のショートフィルム。
画のタッチはティム版サウスパーク、またはパラッパラッパーとでも言おうか。コマの荒いアニメだが、音楽はしっかりダニー・エルフマン。



以下ネタバレ感想



アメリカ、バーバンク。生まれながらの“しみ少年”は両親に気味悪がられ施設送りへ。そこで警察署長と出会い、バーバンクの悪と戦う。。。

両親との距離があったと言われるバーバンク出身のティム。今まで観た作品にティム自身を反映させたものは数あれど、これほどドストレートに表しているものはないかと。自己肯定力が低くて自身をシミの様と感じていたのならこんなに悲しいことはないが、一方でそんな環境が彼を鬼才に仕立てたと思うとファンは喜ぶべきだろうか。「映画大好きポンポさん」でジーンを抜擢する理由に”私生活が充実してるヤツはダメだ“的なセリフがあったが、まさにそれを感じさせる。彼の内なるものをクリエイティビティに昇華させたことにひたすら感謝。

本作の元ネタはティム著の短編集「オイスター・ボーイの憂鬱な死」で、本の冒頭には“リサ・マリー(ティムの2番目の妻)に捧ぐ”と書かれている。1話目「スティック・ボーイとマッチ・ガールの恋」は、「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のジャックにそっくりなスティック・ボーイがマッチ・ガール(きっとリサだろう)との燃え上がる恋で焼けてしまうのだが、本作ではシミ少年の前で燃え尽きるマッチ・ガールを描いているのが興味深い。

作品として観たら凡庸だが、ティムの生き様と一緒に考えると最も興味深い作品かもしれない。