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かたつむりのTnTのネタバレレビュー・内容・結末

かたつむり(1966年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 後に「ファンタスティック・プラネット」を作るルネ・ラルーの初期作品。でかい人とかカタツムリとか巨大なもの恐怖症なのかな?

プロットの脱線がおもろい。植物が育たなくて泣いたらその涙で育つので無理やり泣くだけだと思いきや、それを食べたカタツムリが巨大化して町破壊してと、恐ろしい展開になる。泣かないと育たない、育っても食い潰される、不条理かつ資本主義への皮肉とも捉えれるか。町をゆっくり行くカタツムリは戦車っぽいし、資本主義の暴走の果ての戦争ということだったり。

 やたら女性を狙ってるのはホラーにありがち展開っぽいし、ラストで一難去ってまた一難なのも、実に映画的だなと。クセのあるやや気味の悪い作風なのに脚本は意外にしっかりしてる。おじさんの顔が迫真。

 少女がカタツムリの殻に消えていく薄気味悪さで伊藤潤二の漫画「うずまき」を思い出す。
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