いろんな事情で被ばく地から離れられない人たちに向けた映画。関東以東で子育てをする親御さんは観た方がいいと思います。お子さんを大事に思うなら。
困惑してても子供は守れないと行動を始めたお母さんたちが、放射能から子供をどう守るかを考え実践しはじめた。それはベラルーシでも行われ大きな効果をあげている「保養」。汚染のない土地でしばらく過ごし、体内に入ってしまった放射性物質を排出するというもの。
各地でチェルノブイリ時代から子供を受け入れているスタッフの知見がすごく豊富で実践的なんですよね。保養のビフォー・アフターで別人と見違えるほどなんだそうで。たとえ再び汚染地に戻ったとしても、その期間があるか否かで健康状態には大きな差があるのだと。
夏休みの期間だけでも保養にあてるというのは、一家で避難するのに比べて格段にハードルは低いはず。いわんや子供の将来がかかってるとなれば。
これまでは被ばくの危険性を訴えるばかりだった鎌仲ひとみ監督、そう言われてもいち庶民がどうすれば良いのか...という感じだったんだけど、本作でようやく次のステップに移った印象。観る価値のある作品だと思います。