サンタフェ

ボーダーラインのサンタフェのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
3.2
ナルコス〜エルチャポの麻薬カルテルの旅を終え、同題材映画として鑑賞。

うーん、ナルコスの感想でたびたび目にしていたタイトルでけっこう評判もよかったのでそこそこ期待していましたが全然おもしろくなかった…。

あれだけダイナミズムに溢れる題材を妙に辛気臭く暗い作風にしつつ、それでいて彼らの日常が伝わってくるかというとそんなこともなく結局見せ場は空撮やアクション(ただ別にそこだけでインパクトを残すほどの凄さはない)というのが、典型的な元気を失った2010年代のハリウッド映画だな〜と感じてしまいました。

ナルコスらを観た後だとどうしても全体的に解像度が低く感じてしまい、とりわけスペイン語話者が魂を持たない人形/モブにしか見えず、英語を喋り始めた瞬間に人間になる感じが残念でした。

序盤の「死体がたくさんある家」も「毎日たくさんの人(何万人でしたっけ)を誘拐して殺している」も、シンプルになんで?となってしまいました。映画としてもカルテルを理解できないという作品なわけですが、なんか本当に理解できないものとして描かれていて、序盤の死体の家なんかは特に猟奇殺人ものみたいになっちゃってましたね。

カルテルたちがどういう行動原理でどういう行動を取ってるのか、全然伝わってきませんでした。作風が陰謀論系に近いというか。対象を理解する姿勢が欠如していて、なんか悪いもの、みたいな雑さなんですよね。

一方でもう少し硬派な作風の作品だと思っていたので、先述した空撮やダイナミックな戦闘シーンなどの映像美は予想外で楽しめました。ただ、この手の題材なのに、結局こういう綺麗で作り物っぽい映像が売りになってしまうのもハリウッド映画の限界なのかな〜感は感じてしまいました(Netflixなど配信系も映像は綺麗ですが、作り物感はあまりないので…)。あとやっぱり主人公役のエミリー・ブラントが綺麗すぎる細すぎで、全然リアリティを感じられませんでしたね。

追記:
皆様のレビューを眺めてて初めてこの作品の一つの題が善悪の境界であることを知りました。ナルコスで育ったので麻薬戦争なんか仁義なき戦いで善悪もクソもないでしょとしか思ってませんでした…
サンタフェ

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