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ボーダーラインのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
3.7



ボーダーライン

なかなかに邦題が作品とマッチしている珍しいタイプのシリアスなノワール劇。


【灼熱の魂】【プリズナー】などの衝撃的な展開が十八番!?のドゥニ・ヴィルヌーブ監督作品なだけに、本作もまた話の展開に戸惑い翻弄され、そして唖然となる。


舞台はメキシコとアメリカの国境付近(ボーダーライン)
麻薬カルテルと捜査側の懲りない面々。
実際のところ、我々日本人にとっては幸いなことに然程親近感を得るには無理がある世界線が舞台ではあるものの、その無秩序さや登場人物全員それぞれの正義感のボーダーラインが、エゲつない緊張感を伴わせてリアリティとして作り込まれている。



さて、
誰に感情移入したら良いものか?

いや、
誰にも感情移入出来ないのがこの映画の主旨なのか?


物語の大半がエミリー・ブランド演じるフィメールFBI麻薬捜査官に準えて進んで行くものの、彼女自身のみならず、観ているこっちも訳のわからぬまま麻薬組織の黒幕へと歩み寄る。
CIAを名乗る男と謎めいたネイティブみに溢れた寡黙な男に連れられて、、、



ドゥニ・ヴィルヌーブ監督

物語の後半に、いろいろと説明回収に入る訳で、主役はエミリー・ブラントじゃなかったんかい!って言う展開に。



【アメリカン・スナイパー】や【ホテルムンバイ】のような緊張感が味わえる作品のうちの一つ。
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