Mark数大台のボーダーラインとして鑑賞。
ものすごく面白かった。
開始5分の冷めた絶望感からすでに引き込まれて、目と鼻の先、数刻先に、常に死が張り付いているような緊張感が凄まじかった。
当たり前に劇映画でしかないんだけれど、いわゆるカメラワークみたいなものによる演出が省かれたドキュメンタリー的な見応えが、唐突に訪れる「死」を恐ろしく鮮烈にしているように感じた。
国境付近の不文律な危険の匂いとFBIとCIAの領分なども興味深く、またどこか埃っぽくてきな臭い大地や、トンネルというまさに闇に潜っていく様子なんかは象徴的で、全編通してとてつもない没入感を体験できた。