ぴろぴろ

ボーダーラインのぴろぴろのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
4.0
凄惨で強烈なオープニング。 タダならぬ緊迫感、唐突に無法地帯に放り込まれた様で、最初から肩が凝るほど引きずりこまれた。
物語が進むにつれ『ボーダーライン』このタイトルが深い事に気付く。
優秀なFBI捜査官のケイトが、国防総省のマットのチームに加わって、麻薬カルテルのボスの捜査に参加する。 常識の範囲で合法的に手順を踏んで捜査を進めたいケイト。 何も分からず放り込まれ、戸惑いと無力さと、アウェイ感、おいてきぼり感を食らう。 その辺りのケイトの戸惑いは自分とも被る。 「ナンなの、コレ。 どうなっちゃうの。 デル・トロは良い人なの?」 やがてケイトも観客も思い知らされる。 所詮、倫理観、常識なんて、この国境の町では意味のない綺麗事、たわ言、自分は うわべだけの世界しか知らなかった事を。 ケイトが上層部に呼ばれた意味を。 そしてケイトの生真面目さが仇になる事も、初めから計算されてたんじゃないの? なんて。
あの時、『セブン』のブラピなら撃ったよね。 ケイトは理性が働いたからか、家族を失くしたわけじゃ無いからなのか、今回の経験で賢くなったからか。
何と言ってもベネチオ・ベル・トロの凄み。 「そっちから先か」復讐を果たす順番に、憎しみの深さを感じた。
日本にいると実感が無いけど、今この瞬間も銃声が日常にある国があるんですよね。
エミリー・ブラントは闘う女が似合う。
この映画は見応えがありました。
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