えまろば

ボーダーラインのえまろばのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
4.0
「悪をなして巨悪を討つ」っていうコードギアスの台詞を思い出した。

秩序的で良識的な社会における”悪”って、結局のところ法律で制御できてしまう程度のものなんだろうな。だからこそ、そういう社会における正義感を持つケイトは混乱してしまう。

だって、麻薬カルテルに法など意味をなさないから。正当な手続きをもってして法で裁こうものなら、さらなる暴力で返してくるような超法規的殺人集団よ。関わった本人はもちろん、家族・友人あるいは無関係の人間ですら、徹底的に辱め尊厳を奪い尽くした末に虫ケラのように殺す。そんな連中、まともに対応しても潰せるわけがない。
ってことを身に沁みて理解していきつつも、自身の中にある正義や倫理観とのギャップに苦しむ一般人代表ケイト。そんな彼女の視点で物語が展開されていくのが斬新で面白かった。
ただ、自分は元々ダークヒーローが好きだから、途中からアレハンドロやマットのお荷物になってる所は結構鬱陶しかった。
資金洗浄屋のくだりは、流石にダメじゃないか。やっぱり映画の中のFBIは足枷要因なのか…!

でも、ハードボイルドでめっちゃ好きな映画。つかメキシコ怖すぎ