ドキュメンタリー『カルテルランド』のように、取材を元にしたストーリー展開だ。こっちはフィクションだという違いだけだ。
暴力はどこに生じるのか。
暴力を暴力で取り締まるのは、そのような環境に起きるのか。
復讐はありなのか、いろいろ考えさせられる。
だが、つい明治の初めまで「仇討ち」が認められていた(『柘榴坂の仇討』参照)し、火付盗賊改のような裁判無用の起動部隊が「切り捨て御免」の捜査と処罰をしていた日本は、なぜそれをやめたのか。
兵士やカルテルにも家族があり、殺されれば辛い目に合うということ。
それを考えると、復讐はできない者、武器を持てない者がいるということも考えさせられた。
常識としての「正義」視点からの主人公を据えた時点で、意義のある映画だ。