Elie

ボーダーラインのElieのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
5.0
満点。内容は残酷な麻薬カルテルとの戦い。英題 ”sicario” は暗殺者の意味。
序盤、というかほとんどの場面でBGMがなく、淡々と死が描かれていきます。ハリウッド映画にありがちなバンバン銃をぶっぱなすような死ではなく、かといって重々しい死でもない。人のいのちって意外と軽いのかもしれません。
そして空気がカラッと乾き、緊張感がヒリヒリとする雰囲気がなんとも言えません。
また、飛行する航空機、日没後のわずかな夕陽、などの背景の使い方に思わずうなります。光の加減、目線の動き、微妙なしぐさ、ベネチオ・デル・トロ、どこのシーンを切り取っても緻密な計算と一番映える瞬間を掴まえているんだろうなというシーンの連続(ベネチオ・デル・トロが好きなだけ)。監督のドヤ顔が見えてくるようです。
こんな映画、日本どころかハリウッドにもないのではないかと思うほど。1度観て圧倒され、2度観て心臓を掴まれる、そんな映画です。
監督は、プリズナーズ、メッセージ、ブレードランナー2049のドゥニ・ビルヌーブ。まだまだ大作が出そうで楽しみです。
Elie

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