ハリウッドザコ

地平線のキックオフのハリウッドザコのネタバレレビュー・内容・結末

地平線のキックオフ(2013年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

地平線の彼方へ。

純粋にサッカーがしたいアドマスくんと
ビジネスにしか頭がないフランツの話。
周りは車磨きでお金を小遣い稼ぎをする中、ただひたすらサッカーの選手になるためになんでもする。
直談判をするも失敗し、
強盗計画や助けた恩をその見返りとして返してもらおうとしたりなど…
彼のサッカーに対する熱い思いや
絶対にフランツに頼んでサッカーをやりたいと言う気持ちの一貫性は良い。
ただ、交渉の仕方はやりすぎだったり
もたもたしているのが気にかかる。
純粋なサッカーをやりたい気持ちがあるのに対して作戦や、ちょっとした嘘が踏み躙る。

アドマスくんの思いに振り回されながら
徐々に仲良くなって良い展開になるけど
何回も裏切るフランツも悪い大人。
最後のサッカーの試合の前日、コーチをしたり2人の関係性が見えてきたのに一度、車に乗って去ろうとするし
その後、結局戻ってきてと彼の心情がバラバラに見えてしまうのは残念。
気持ちの変化はふとした時に変わったりする物だが、映画のジャケ写や雰囲気的に最初からアドマスをサッカー選手に仕立て上げる風に見せてそうで結局は違ったと言う解釈に。
最後に戻ってくるのであればあそこで死なずにアドマスがフランツを救った展開の方が綺麗でありそのまま選手として活躍していく方向性が見えてくる。

エンディングでアドマスはサッカー選手になった上でエチオピア代表の監督に選出されたのかもしれないが、
監督である理由をなぜなのか問いたい。
ここまでサッカーをしたいと言う思いのまま80分ほど来ていたのに対しそれを踏み躙るかのようなアナウンス。
描写なしで行くのなら選手と言う程でも良かったのでは無いかと思う。
しかし、彼の今までの人間関係の上手いところや交渉上手なところを見ると、
選手と言うよりも戦術的な監督という方が合っているのかもしれないが…
まぁどんな形であれ、アドマスくんが今、活躍しているのであればそれはそれで良し。
地平線の彼方(昔からの夢)に到達できたのはある意味、綺麗な終わり方なのかもしれない。