宣伝文句(メッセージ性)とストーリー性が乖離している作品。これはなにを主軸に描かれた作品なんだろうか。
有名な作品なんだけど、有名な作品だからこそ手が出なかった映画を観ていこう第六弾!YouTubeに上がっていたビハインド・ストーリー〈This Is Me〉が素晴らしすぎて、作品は越えてこないだろうなぁ、と思い観ていなかった作品。想像通り、越えてこなかった。
とにかく脚本がよくない。とにかくイベントを詰め込み過ぎていてメッセージ性が活きてこない。
貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティ(ミシェル・ウィリアムズさん)と結婚したフィニアス(ヒュー・ジャックマンさん) 。夢と希望を持つフィニアスは、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集め、誰も見たことがないショーを作り上げる。大きな成功をつかんだ彼に波乱が待ち受けていた。そんなストーリー。
実際に19世紀に活躍した興行師、P・T・バーナムさんの成功を描くミュージカル映画ということで、ストーリーの主軸はP・T・バーナムさん。
だからこそ、宣伝文句として売りにしていた【個性】【障害】というものがストーリーから直に感じることが出来なかった。あくまで伝記のアクセサリーといった感じ。個々の【個性】を深掘りすることがなかったので、商売のネタにしていただけに見えてしまった。一番話題を攫った〈This Is Me〉のシーンも、サーカス団員たちがP・T・バーナムさんにされた仕打ちがキッカケで歌っているので、P・T・バーナムさんが悪者に見える。
障害者には仕事があるべきだ。実際私もそちらの人間なので、それは十分に思う。
P・T・バーナムさんは凄く社会に貢献していたと思う。なのにストーリーのせいで汚く見えてしまう。商売人なんだなぁ、と。ストーリーの内容によってはP・T・バーナムさんを綺麗に見せることができたはずだと思う。
また、ストーリーを詰め込み過ぎているイメージがある。この内容で100分は短過ぎる。もっと深掘りして欲しい。
P・T・バーナムさんを演じたヒュー・ジャックマンさん。彼が主演した『レ・ミゼラブル』は160分。今作もこれくらいで作ってくれないと感動・没入できない。(まぁ『レ・ミゼラブル』はブロードウェイのミュージカルだから、比較にするのはどうかと思うが)
改心した風に歌うP・T・バーナムさんが薄っぺらく感じたし、障害のあるキャラクターが没個性だった。苦しみが設定だけになっている。
ということで、ハマらなかったというか、白けた。
唯一、P・T・バーナムさんがフィリップ(ザック・エフロンさん)を商売に誘うパブでのコミカルな歌のシーンが好きだった。
ストーリー : ★☆☆☆☆
映像 : ★★☆☆☆
設定 : ★★☆☆☆
キャスト: ★★☆☆☆(ヒュー・ジャックマンさん歌上手いなぁ)
メッセージ性 : ★☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
cc/夢が、踊りだす。