なお

グレイテスト・ショーマンのなおのネタバレレビュー・内容・結末

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

"The Show Must Go On"

名作今さら鑑賞シリーズ。
本作鑑賞の前日に『パルプ・フィクション』『ショーシャンクの空に』と名作2本を立て続けに見た影響か、この日も「名作見たい欲」が治まらず。

本作は第75回ゴールデングローブ賞にて劇中歌である「This Is Me」が主題歌賞を受賞。
その他作品賞や、主演男優賞にヒュー・ジャックマンがノミネートされた。

また先の主題歌を収めたサウンドトラックも2020年現在で830万枚以上を売り上げるなど、作品外の数字においてもその人気の高さがうかがい知れる。

✏️音楽の力
自分自身ミュージカル映画というジャンルはあまり得意ではないのだけれど、本作は素直に面白かったし、一つひとつの楽曲に心が震えた。
「音楽の力」ひいては「ショービジネスの力」というものをまざまざと見せつけられたような気がした。

まず冒頭の「The Greatest Show」でグッとこの映画の世界観に引き込まれ、その後も名曲と迫力満載のステージが続く。

✏️Come Alive
失業からの再起を図るバーナムは、見た目や顔立ちなどに身体的特徴を持つ町の「つまはじき者」たちを一堂に集めサーカス団を結成。
当初彼らは人びとから好奇の目で見られるが、見事”初舞台”にて観衆を沸かせる。

この時かかるのが「Come Alive」。
明るく前向きな曲調とともに「生きよう、輝こう」という強いメッセージがこの映画を見る我々を含めた観衆に届けられる。
サーカス団は一躍町の人気者に。
バーナムとその仲間たちは、曲名通り見事「復活」することに成功した。

その後も、劇作家のフィリップを勧誘する際に流れる「The Other Side」の攻撃的なリズムも個人的にお気に入りのひとつ。

そして何といっても、町のつまはじき者だった彼らの矜持と誇りが一心に詰まった楽曲である「This Is Me」は本作を語る上で絶対に外せない名曲。

本作は先述の通り、P・T・バーナムという実在の興行師の人生を元にした伝記的作品でありながら、身体的特徴を持つ者たちの戦いや苦悩を主題とした作品でもあるので、下手をすれば「感動ポルノ」とも取られかねない危うさを持つ。

しかし本作がそうならないのは、やはり「音楽の力」のおかげなのかもしれない。
決して説教臭くなく、押しつけがましくなく。
力強いダンスと勇気を与えられるような曲調で、歌詞に込められたメッセージ性が実に抵抗なく心に染み渡るような気がした。

富と名声に目がくらんでいたバーナムだったが、自らの原点を思い出し再スタート。
「The Greatest Show」に始まり「The Greatest Show」に終わる。

サーカス団の団長はフィリップに引き継がれたようだが、バーナムが見せた「夢の世界」はいつまでも人びとの心に残り続けるだろう。

☑️まとめ
高い音楽性と、強いメッセージ性。
作品時間も2時間を優に切っており、あまり肩肘張らずに見られるハードルの低さも◎。

自分が求める真の「ミュージカル映画」がここにあった。

🎬2022年鑑賞数:116(52)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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