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グレイテスト・ショーマンのfujisanのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.3
心震える、圧倒的エンターテイメント!

2018年の作品ですが、毎年、どこかの映画館で上映されている印象がある、素晴らしいミュージカル映画。訳あってレビューが出来ていなかった映画でしたが、今年久しぶりに爆音上映に参加することが出来たのでレビューしてしまいます。



本作の製作のきっかけとなったのは、2009年のアカデミー授賞式でのミュージカル仕立てのヒュー・ジャックマンの司会だったと言われています。
その年の演出として全編がミュージカル仕立てになっており、ヒュー・ジャックマン自身が歌って踊って、の楽しい授賞式。

参考(Youtube):
Hugh Jackman's Opening Number: 81st Oscars (2009) - YouTube
https://youtu.be/Terhj8mjPwY?si=1tuIMxRInmSCdP8N

そのクオリティのあまりに高さに映画プロデューサーが飛びつき、彼のミュージカル映画を撮ろう、となったそうです。

ということで、この映画はヒュー・ジャックマンの良さが最も活きるようにチューニングされた映画であり、映画の狙いがはっきりしていたことがこの映画の勝因だと思います。



レビューが難しかった理由。それは、感情でレビューするのか、客観的事実でレビューするのかということ。

本作は時代背景としてあるはずの南北戦争の悲劇やフリークスたちに対する差別が描かれていないこと、また、ヒュー・ジャックマン演じる主人公P.T.バーナムがあまりに実在の人物とかけ離れていることなど、特に映画に詳しい批評家からは批判も多い映画。

実際、映画賞の受賞はほとんどなく、日本以外では興行収入も芳しくない映画なのですよね。

評論家の解説を見ても、マイケル・グレイシー監督の稚拙さ(当初撮影した内容があまりにひどく、大幅にテコ入れ、企画から完成まで10年近くかかる、本作以降の大作の監督がない)など、そう、この映画は、調べれば調べるほど、アラが目立つ映画なのです。

でも、別にいいじゃないか、映画として楽しめれば!と。

この素晴らしい歌と踊り、リズムと高揚感、映像が持つ迫力。一気に観た人を感動の領域に連れて行ってくれるんだから、細かいことはいいじゃないかと。そう思って、感情に100%振り切って、これを書いています。

ミュージカル映画のキモである冒頭のつかみから一気に心を鷲掴みにし、貧乏な時期の雑居ビルの屋上の夫婦のダンス、洗濯物のシーツをスクリーンにした子どもたちとのシーンには心が揺さぶられ、その後も恋愛、家族愛、誇り、成長と、とにかく映像と音楽全てにパワーが溢れている。

それこそ何度も観た映画ですが、未だにスクリーンで観る度に終わった後しばらく席から立てなくなる。こんな経験をさせてくれる映画は、そうありません。

次はいつ劇場で観ることができるんだろうか。常に上映を心待ちにできる、そんな素晴らしい映画です。



改めてキャストを見ると、ゼンデイヤとレベッカ・ファーガソンは「デューン 砂の惑星」で再共演していたり、ザック・エフロンは「アイアンクロー」で別人のようなマッチョになっていたり、ヒュー・ジャックマンは最新作の「デッドプール」でまたウルヴァリン演ってたりと、皆さん活躍しまくりですね。

とりあえず、6月公開のゼンデイヤの「チャレンジャーズ」はとても評判がいいみたいなので、こちらも楽しみにしてます!
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