映画の作り方が下手すぎるのか、この映画自体が偽善そのものなのか…?
世間でこの映画がヒットし、好評価を得ていることに戦慄します。
え、皆さんこんなハッピーエンドの超ゴリ押しで満足するんですか?
この映画は人種差別や階級制度、資本主義で生きること等をテーマに盛り込んでおり、本物の幸せとは何かを問いかけるような、作品です…
はい、やりたい方向性は立派だと思うんです。しかし、やり方が全然ダメだと思いました。
バーナムは下級の階級に生まれ、苦しい幼少時代を過ごします。
しかし、貴族階級のミシェルウィリアムズとの大恋愛を成就させ、家庭を得ることができました。
仕事に困ったバーナムは所謂フリークスとダンスを混合したような見世物の劇場を経営することにします。
作中にて、舞台批評家はP.Tバーナムが主催するサーカスは偽物だと評し、バーナムもまた自分のサーカスが偽物であることに葛藤します…が、なぜ偽物であるのかの説明や描写があまりなされません…ので悩みがひしひしと感じられるようなことはありません。
したがって、何か他人事を距離を置いて見てるかのよう。
それでも画面では煌びやかな音楽と見た目でことが進み続けるので、まあ台詞が無ければ葛藤が起きてることすら気づかないかもしれません。
他にも、
バーナムという人間は、レベッカファーガソン演じる歌手が作中で語る通り、自分の利益のためなら人を大切にしない人、そのものである。ので、最終的になんで皆がバーナムについて来てくれるのか、謎です。素敵なサーカスを用意してくれた!とか言ってましたが、それよりもバーナムにまで差別とか偏見を受けて辛そうでしたが、全部置いといてハッピーエンド?て感じ。
そういう展開にするにももう少し話を盛り込まないと納得いきません。
少し葛藤する件をてきとーに入れときゃ、最後のハッピーエンドで客受けいいやろ!金の匂いがするなり!っていう作り手の意図が透けて見えます。だとしたら、映画という芸術を汚して金儲けに走る本作こそが作中で語られる偽物なんじゃないの!??自虐ですか?しかもこれが多くの人に喜ばれているという絶望的状況ですから、かなり罪深い作品です。
そ・れ・か!
ただ映画の作り方が下手なのかもしれませんね。