ケンジモンデン

グレイテスト・ショーマンのケンジモンデンのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.5
「グレイテスト・ショーマン」が、ヒュー・ジャックマン演じるP・T・バーナムの生い立ちから成功、挫折、そして復活への道のりを描く物語なのは間違いないのですが、個人的なこの映画の最大の魅力は、『劇中歌によって登場人物全員にスポットライトが当たっていくこと』だと思っています。どの曲も本当にいい歌なのですが3曲だけピックアップ。

・THIS IS ME
言わずもがな名曲。YouTubeで観るたび今でも涙が出てくるぐらい。なのでイントロかかった瞬間「キタ!」ってなった(ちょっと突然すぎて物足りなかったけど笑)。どんなに風当たりが強くてもマイノリティを貫き通す強さ、「傷だらけでもこれがあるがままの自分だ」と言える勇気。本編でもやっぱり泣いた。もうほんとにキアラが神(語彙力)。

・Rewrite the Stars
上流階級出身のフィリップと黒人で空中ブランコ乗りのアンの身分違いのロマンスを描く1曲。二人の想いが曲中には重なりながらも結局すれ違うのがなんとも哀しい。ようやくここで書くけどもうほんと久々にザック・エフロンの歌声ちゃんと聞けてそれだけでごちそうさまだったよ。「THIS IS ME」もだけどザックを聞きに来てましたよ。最近どうも筋肉バカなイメージしかなかったし…笑 ザック健在でした。やっぱ好きだ。アンちゃんとのデュエットも◎、ラストの「The Greatest Show」でもいい感じにハーモニー効いててよかった。

・Never Enough
訳したら「満たされない」。レベッカ・ファーガソン演じる名オペラ歌手リンドが歌うこの曲で物語が大きく動くのですが、たぶんバーナムはリンドの歌声に魅了されただけじゃないのだとこの歌で分かります。バーナムもリンドもつらい過去を乗り越え名声を手にしたけれど、それでも幸せを失うのが怖くてさらなる高みを目指さざるを得ない。その不安定な「満たされなさ」が共鳴しあったのだと。(歌詞は「あなたがいないと何があっても満たされない」って超絶ラブソングです。)

という感じで、けしてバーナムただ一人の物語でなく、妻や子供、ショーのメンバーそれぞれにスポットライトが当たるこの楽曲たちは本当にすごい。終わった後には誰もがサントラ買いに行きたくなるはず!!

ストーリーは確かにテンポも早くてサクサク感は否めないですが、その分ミュージカルでおつりが来ます!映画館でぜひ!!ちなみに極音はまるでライブでしたのでさらにおすすめ(*´-`)