Yuki

グレイテスト・ショーマンのYukiのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
2.0
【酷評注意】

先に高評価な部分はオープニング。このオープニングは引き込まれない人いないと思う。カメラワーク、音楽、はじめの静けさ、顔の影、全部最高。オープニングで落ち映画となってしまったけど、、。



期待していたのですが、見事に裏切られました。

すごく極端で少数派意見なので、この映画が大好きな人には読むのを勧めません。

先に言っておきますが、もしこれが映画ではなく、ストーリーも何もないショーだとしたらグレイテストほどではないですが、グレイトぐらいの評価だったと思います。

しかし、映画としてはワーストでした。本当に下品。

まず、楽曲一つ一つは良いのですが、ストーリーと組み合わせたときに違和を感じ、感情が乗らず置いていかれた感じがしました。(歌はいいけどなぜこのミュージカルにこの歌?なんでここでこれを歌う?という感じで)

⚠️以外感情激化

さらに、この映画は扱うテーマが重すぎたと思います。

差別問題やマイノリティのことを扱うならもっと丁寧にしてほしかったです。とにかく雑。

正直ザックエフロンとゼンデイヤのやりとりは完全に不必要(だと思います)。蛇足。誰の自己満足やねんって突っ込みたくなるレベルでした(私はお二人とも好きなので、鑑賞前は嬉しかったのですが、この映画では違うと思いました)。

このやり取りによって映画の主人公がもはや誰かわからなくなり、内容が浅くなり、この映画が一体何を伝えたかったのか全くわからなくなりました。

また、P.T.バーナムが見世物小屋をつくるところが無理矢理正当化された感がすごかったです。

私はもともとこの見世物小屋のようなものが大嫌いなので、話が初めから見世物小屋をまるで身体的特徴を持った人達の唯一の居場所のようにするのが本当に腹が立ちました。

もちろん見世物小屋を正当化する理由や、見世物小屋を批判する人の考えへの最低限の配慮があれば、感情移入かできたのかもしれないのですが、なんせ雑なので、本当に最後までどうしてマイノリティの方々が見世物小屋を受け入れられたのかわかりませんでした。

なんであれほど批判的な記事を書いていた記者も受け入れているの?本当に誰に対する敬意もクソもないとにかく雑なストーリー展開でした。

さらに悲しいのは、見世物小屋に反対する人はみんな敵。反対するものはみんな悪者。邪魔者なところ。


世の中はまだこんなものに魅力を感じてるのかって、なんだかこの映画の評価が高いことにさえも失望しました。

この映画を評価する人は、マイノリティの苦労や葛藤、悩みを何にも経験してこなかった、世間知らずな人なのかな?と思ってしまうくらいです。

他人と違うところを隠したり、嫌いになったりする必要はありませんが、それを笑いネタにしたり、興味の対象としてしか扱わなかったり、道具として他人(ココ重要)が利用するのは、私は個性の尊重とは言えないような気がします。

コンプレックスを乗り越えるのが、どれほど大変なことか。特に病気や障害系は計り知れない苦悩がある。

私は映画を観た後、余韻に浸ったり、ストーリーのことを思い出して考え直したりする時間が好きなのですが、この映画には全く余韻を感じませんでした。モヤモヤとなんかうまいことまとめ上げられた感というか、観る人を舐めきった感がすごく、とにかくこの映画を早く忘れたかったです。

歌自体は評価に値するものかもしれません。映画としてじゃなくて、普通にCDでも出したらよかったんじゃないかな?と思いました。

なぜなら映画を見る前にこの歌をYouTubeで聴いて心から感動したからです。

ミュージカルだから浅くても仕方ないとの意見、十分に理解できますが、テーマがテーマだし、ミュージカルでも深くすることだってできるはずです。

面白かったら何してもええん?お金儲けできたら何してもええん?それがエンターテインメントなん?

観客の評価が高い割に賞を全然取ってないのもわかります。そんな映画です。
Yuki

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