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ネオン・デーモンのbutasuのレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
2.0
以下、エル・ファニングが好きな方は読まないでください。

この映画を語るにあたってまずどうしてもスルーできない問題が一つある。それは「エル・ファニングは果たして美人なのか」問題だ。彼女は良い意味でも悪い意味でもかなり癖のある独特の風貌をしていると思う。まずその点で、モデル業界の誰もが認めざるを得ない「圧倒的な美人」にはなり得ないのではないだろうか。ちょっと不自然なくらいに周りの誰もが彼女の見た目を絶賛するので、観ていてひたすら置いてきぼりを食らう。こんなにちやほやされるレベルで抜きん出て美しいか?しかもこの映画では周りは整形の作り物であり彼女こそがナチュラルビューティーなのだということを強調しているが、「無垢の美」と言う言葉はこんな癖の強い顔に対して使うものではない。それでも髪型でなんとかごまかしていたのが、後半ひっつめ頭になった途端にお世辞にも美しいとは言えない輪郭のラインが邪魔をし、もう全く美人感はゼロとなる。というか無垢の美を強調するなら、メイクや髪型をもっと抑えた方向に進むべきじゃないのか。この映画での無垢さって若さ+整形無しってだけじゃないのか。とにかく正直、ミスキャストだったと言わざるを得ないが、まぁこれは好みの問題なのかなぁ。

そして映画としてもかなり微妙。奇をてらった"オシャレ"な作りになっているが、演出力と構成力が伴っていない上に、中身はペラペラ。おまけに肝心のセンスが正直残念な仕上がりなのである。ポスターにもなっている最初の絵はかなり奇抜で美しい。しかし映画の中ではこれは素人同然のカメラマンの作品ということになっており、その後業界で絶賛されるプロが登場するのだが、そいつの作品のセンスが全く感じられない。これは映画として致命的。その後もそれっぽいだけの中身がスカスカでダサい画作りが続き、話の内容は空っぽ。不必要なエログロも中途半端でそれっぽいだけ。しかも視点が定まらないから、結局誰の何の話だったのかよくわからない。主人公が退場した後のシーンとか、もう蛇足以外の何物でもない。

キアヌ・リーブスは完全な無駄遣い。相変わらずだけどもっと仕事選んで!
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