水蛇

ネオン・デーモンの水蛇のレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
1.1
「ドライヴ」はあんなによかったのにダサさに呆然としてる間に終わった。同姓同名の別人であってくれ。

ここまで汚く撮られたエルも被害者だよ。彼女のありあまる魅力を無視してなんで無理にモードモデルの土俵にあげちゃうんだ。無双したいなら舞台を変えるべきだし、モード界がいいなら俳優を変えるべきでしょ。エルを使いたいけど虚飾を描くにあたっての引き出しが貧相でモデルくらいしかなくてこうなっちゃったんだろうな。生けるハンガーを求めるあの世界がいいとは思わないけど現実としてそういう基準で動いてるのに彼女の骨格と姿勢とボディメイクでアビー・リー・カーショウ達を蹴散らすのはどう見ても無理がある。自分が撮ってる画を見て何も思わないの?ひいきの引き倒しにしか見えなくて映画全体になんの説得力も緊迫感もなくなった。結果的に猫背の野暮ったいエルが汚されてる。そして根本的な問題としてなんか全体的にミソジニー滲んでる。

虚飾の裏側とそこに渦巻く欲望を描くためのモチーフも手垢にまみれてて、女の嫉妬と整形と極彩色とネオンと眼球って。眼球?!って声が出た。「眼球譚」とか「ヘルタースケルター」を初めて読んだ中学生みたい。本当にどうした?
水蛇

水蛇