傑作"DRIVE"のニコラス・ウィンディング・レフン監督のスタイリッシュなスリラー作品。
個人的にはスタンリー・キューブリックが"Fashion Film"を撮って、薄味にしたような作品に感じました。
スタイリッシュでグラフィカルな構図、色彩、映像美は流石です。
ファッション業界を舞台にしているだけあって、鏡を使用した演出を多用し、ドギつい色使い、アナモフィックなフレアの光、画面作りも、いちいちスタイリッシュ。
しかし、舞台が舞台なだけに意図してなのかどうかわかりませんが、表面的な部分(とんでもなく美しいのですが...)ばかりで中身はスカスカな印象。
良くも悪くも"Fashion Film"であり、"映画"と呼べる域には全く達してはいないと思います。
この辺のクオリティーならVimeo等で見られるヨーロッパ系の映像クリエイター(と言っても限られた少数)が制作したミュージックヴィデオ、短編で見れるので、長編ならではの"何か"は欲しかったのが、素直な感想。
監督の作家性が剥き出しなので、好き嫌いがハッキリわかれる作品。