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ネオン・デーモンのaのレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
5.0
“整形を悪いことだとは思わないわ、身嗜みと一緒よ。みんな歯を磨くでしょ?”

外見の美しさのみに人の価値が判断される現代社会。顔にメスを入れることなど、当たり前になってしまった。美をテーマにしたホラー映画(監督談)、唯美的な世界観。
消費される美、若さ。搾取される女性。一般のそれと全く別のものにするためには、まずは痩せていること。
極限まで追い詰めて感情を引き出すスタンス、まんまとやられてぐっと息を飲んだ。登場人物の思惑なんか、掴めやしない。


Elle Fanningが唯一無二の美しさであるのがひたすらに強調されていて、わあめっちゃ持ち上げるや〜ん!と思いつつも、実際、あれだけスタイルのよい白人女性らに囲まれても格別に唯一無二であるからすごい。透き通るような肌、とろっとした瞼、アンニュイな鼻の下、存外に鋭利な輪郭。あたためたミルクの上に張った膜のような子だ、と思った。さわやかに濃密。美し過ぎて涙さえ溢れそうに。シャワー後のエメラルドグリーンのランジェリーを纏った姿なんか、妖艶過ぎてぞっとした。

メイク、とにかくいい!覚醒した後のエルはスモーキーなメイクであるのに、冒頭のエルは素肌を活かしたような自然なメイク。まつげが透けるような。ピンクの頰にばちばちの大粒ラメ。

若い女性の美が商品化してしまうことは、昔からあることで決して今今始まったことではない、けれど。「才能がないけれど、可愛いから、稼げる」と言ったエルはもっともで、エルの鼻の下が短かったら今ほど売れていた?とか思ったりするし。う〜〜ん、辛辣で、個人的にひたすら苦しい映画だった。劇中でもモデルが口にするが「不平等」すぎる。私だって青い瞳にブロンドにカリカリの手脚に生まれたかった。そういえばパリコレのモデルってみんなツンッとしてるよね。男勝りなイメージ…
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