ゆず

トゥルー・ストーリーのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

トゥルー・ストーリー(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

NYタイムズの記者、マイケル・フィンケル。彼は優秀な記者だったが、ある記事で捏造が発覚し、NYタイムズを去ることになる。彼女のジルと共にモンタナで暮らし始めるが、NYタイムズには謝罪文が掲載され、彼の記者生命は終わったも同然だった。しかし、ある日「クリスチャン・ロンゴ」という殺人犯が、逃亡中に自分の名前を騙っていたことを知る。マイケルはクリスに手紙を書き、本人と面会することになるのだが…

マイケル・フィンケルの著書トゥルーストーリーの映画化?中盤はジョナとフランコが話してる場面が淡々と続く。カポーティみたいなの想像してたけど、思ったほどピリピリしてない。会話劇好きじゃなかったら飽きるかもしれない。

この2人が揃ってる場にセスがいない&シリアスってことが(知ってたけど)序盤はなんだか不思議だった。2人とも演技派ではあるんだけど。クリスはマイクから文章や言葉を学び、マイクはクリスから事件の話を聞く。会話や手紙のやりとりを重ねるうち、どんどんマイクがクリスにシンパシーを感じはじめる流れが面白い。
はじめのうちは漠然と、「マイクがクリスの無実を信じた上で裏切られるのかなぁ?」と思っていたのだけれど、マイク、クリスのこと全然信用してなくて笑った。自分に似てると思ってしまったからこそ惹かれたのに、同じ理由で信用できないし同族嫌悪も抱いてしまうw見てるこっちも、この2人を全然信用できなかった。タイトルの「トゥルー・ストーリー」がすごく皮肉っぽく聞こえるー…w

2人の会話だけで私は全く退屈はしなかった。2人のやりとり、クリスとロンゴがお互いを投影していく感じは面白かったし。でもロンゴやクリス個人に興味は持てなかったな。演技は抜群なんだけども(フェリシティ・ジョーンズも!)。まぁ、あの人達をあまり分かりたいとも思わない。ロンゴは何を考えているのか分からなくて不気味だけど、善人には見えない(ウインク腹立つなー!w)。クリスも…自分の捏造を認めようとしない姿勢を見てるから、序盤から好感度とか全くなかった。そんな彼だからこそ自分の犯した罪を認めようとしないロンゴの中に自分を見たのかもしれないが。

時系列がよくわからなかったんだけど、ロンゴがマイクの名前を騙ったのって、謝罪文が載った後なのだろうか。「証人になったところで誰も信じない」ってことも考慮した上で彼を自分の元におびき寄せるために名前を騙ったんだとしたら、最初っからまんまと踊らされ続けていたんだなあ。
ゆず

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