しばいぬたろう

ブライド・ウエポンのしばいぬたろうのネタバレレビュー・内容・結末

ブライド・ウエポン(2014年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

『ブライド・ウェポン』('14)
In the Blood / アメリカ合衆国 / 英語、スペイン語

前半は面白かったが、後半で一気に下り坂で、最終的には微妙な作品になってしまった。


幼少期から父親から格闘術を教え込まれて育ったエヴァは26歳となり、御曹司の青年デレクとの結婚式当日を迎えていた。
家族のいないエヴァはデレクの父親に財産目当てと疑われていたが、デレクとエヴァは愛し合っていた。

二人の新婚旅行は、デレクの家の別荘があるカリブ海の島に決まる。
夜、島のレストランで地元の青年マニーに話しかけられた二人は、マニーからジップラインというアクティビティに誘われる。
興味を持った二人は、ジップラインに参加することとなり、マニーに誘われるがまま、地元のクラブにも顔を出すことになる。
しかし、そのクラブで一人の男に絡まれた上に、デレクが男に殴られてしまう。
怒ったエヴァは地元のチンピラたちと大乱闘するが、格闘技を身に着けているエヴァは彼らを圧倒してしまう。
急いで店を後にする三人だったが、その店は地元の悪党が牛耳っており、彼らを怒らせてしまったとマニーは焦る。

翌日、マニーの迎えでジップラインに向かった一行だったが、事故が起き、デレクは救急車で病院へ搬送される。
しかし、どの病院にもデレクは搬送されておらず、行方不明となってしまう。


主演がジーナ・カラーノということで、ヒロイン系アクション映画ということは鑑賞前からわかること。
彼女の肉弾戦やガンアクションはしっかり堪能できる作品に仕上がっている。
脇役も何気に豪華にまとめており、全体的にA級を目指した作品であるとは思う。
前半は舞台設定の良さやサスペンス感もしっかり楽しむことができ、とても内容に引き込まれるつくりになっていた。
しかし、後半に関しては設定や展開がブレブレになっており、更に地元の人間たちに不信感を抱いてしまうような無秩序な島設定となっている。

前半ではカリブ海の島の美しい風景やアクティビティをしっかり楽しむことができる。
しかし後半では、警察は裏社会の人間に買収され、地元民は子供たち含め殺し合い現場を楽しんでおり、警察官でもないマフィアの男たちが家に入り込んでも誰も気にしない。
島全体がマフィアによって統治されているのだ。

マニーという青年を脅して協力させるが、元をたどればこの青年がジップラインを紹介したせいでもあるので、エヴァとマニーは互いに「また来いよ~」な間柄になり得るとは思えない。
 
確かにデレクが落ちてしまったことに焦っていたが、ではバーの乱闘は一体何の意味があったのか。
恐らくエヴァが地元で話題になる「新婚旅行中の強い女性」という噂が広まる、という設定が必要だったのかもしれないが。
そこでエミリオが病院に行くこととなって初めて適合者と判明する、というくだりにでもした方がしっくりまとまったと思う。

主人公も、デレクを助けるためとはいえ、そして誰も信用できないとはいえ、いろいろな人に迷惑をかけすぎな印象を受ける。
看護師の女性もマニーの家族も、その他地元民の家でも乱闘を繰り広げ、大迷惑この上ない。
おかげで、主人公の気の毒さが徐々に薄れてくる。

ジーナ・カラーノは美人というよりごつい、という印象が強いため、どうせなら本作の主人公配役はサラ・バトラーあたりでも良かったのではないかとも思った。
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