とうじ

ラスティ・メン/死のロデオのとうじのレビュー・感想・評価

4.5
ハスラー2のロデオ版。こっちの方が先。

ロデオって世界で一番狂ったスポーツなのが実感できる。
本作は、ロデオで賞金がどかっと入ってくる快感と、それをやっている最中のアドレナリンに段々と男たちが中毒になっていく様を描く。
ロデオに取り憑かれた男たちは、事故で障害者になる、もしくは死ぬまで暴れ馬を乗り回す。
それを不安そうに見守る女性キャラと共に、観客も割とドン引きしながら、数々の実際にやっているとは思えないスタントをハラハラしながら眺める。
しかし、男勝りの女性キャラがいたりと、ニコラスレイの特徴である、マスキュリニズムに対する意地悪さは割と控えめ。にしても、単純に人間ドラマとして面白い。
非常に良くできた傑作。

あと、疲弊した主人公に、めんどくさい酔っ払いが絡んでくるシーンで、主人公が「そいつに向かって拳を振り翳したい」と思った瞬間に、彼の顔に向かってカメラが短い距離を素早くドリーするというショットがあり、ああいう、血が頭にすごい勢いで昇って瞬時に手を出したくなる感覚を的確に表現できるニコラスレイは、やはり上手いと思った。
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