Garararara

プリズン・エクスペリメントのGararararaのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

胸糞悪いけど、誰にでも起こり得ること

「ずっと悪んできた相手に俺はなりきってたんだ。そして楽しいと感じた。俺の気持ちが分かるか?」
「だが…重要な研究だ、私にとってね。結果は意義がある」「この研究は人の役に立つ」「私情を挟めばこの業界では成功しないぞ」「わ〜お、話は終わりか?」
「衝撃だったよ。人を貶めるうちにひどい人間になっていったが…何も言われなかった」
これがすべて

役割と立場
アウシュビッツや部活の先輩後輩(寮)なんかも同じなんだろうね

1971年スタンフォード監獄実験
教授陣は自分たちはやらないで高みの見物
なぜ被験者の心理を体験しないんだろう?

実際の実験では看守役と囚人役を入れ替えて同じ結果が出たけど、

看守役と囚人役の意識のギャップ
段々高圧的(傲慢)になっていく看守役学生たち
囚人役は“役”の上でのこと初めは余裕を持ったおふざけ感

フィリップ・ジンバルドー教授(博士)は所長役で看守を煽る

人道的では科学の実験はできない

看守役で役になりきれる(元々攻撃性が強く傲慢)なリーダー役がいると加速?

ジェシー…刑務所16年のアドバイザー


1日目
「ジョン・ウェインの子がすごい。入ってすぐ場を支配した」「実験をしてるだけ」

「しかたないだろ。止められない。ボスは俺たちなんだから」「なるほど(笑)」「従うしかない」

8612「聞こえただろ?ファシスト野郎」
ベットを乱しやりお直しを命じられ、反抗し警棒で殴られ穴蔵へ
モニター役も様子見
「全員でいけば俺たちが有利だ。刑務所と同じさ」
「相手は3人、俺たちは9人だ。ここだって狭い」

2日目
5486「眼鏡を返してくれ」

「教授を呼べ」
「様子を見よう。まだ2日目だ。看守に任せよう」

「革命だ」

「刑務所の秩序を守るのが君たちの仕事だ。言い訳は聞きたくない。権力は君たちが持ってるんだ。彼らより強い。囚人は絆を深めてる。断ち切れ。秩序を取り戻すんだ。もし必要なら応援を呼べ」

看守全員で2号室の制圧…3号室は看守に協力→模範囚としていい食事と眼鏡
ほほ笑みながらモニターする教授

囚人役2人(8612)が脱走→看守と教授たちにより阻止
ベッドを壊し扉のバリケード

排泄はバケツ

上の教室
暗い部屋でサングラス
所長「まさか腹痛のために釈放しろとでも?」
「興味深い。反抗をよせば少しは楽になるんじゃないか?そこまで大変じゃないだろ?腕立てとがジャンプとか。少し悪口を言われるだけだ。分かった。手加減城と伝える」
「本当に手加減を?」「まさか、完全に演技だったろ。まだ帰らせない」

「契約はウソだ。絶対に帰らせてくれない。これはすべて現実だ。これは実験じゃない」

3日目
8612番を帰らせた
「帰らせただと。どれだけの苦労と時間と金をかけた実験だと思ってる?」
「弁護士を呼べと」
「かたくなに自分を曲げず折れてしまった」「他の囚人を従えられなかった。8612番は支配したかったんだ」
「あの2人を分けたのは、コインの表と裏のみ」

「代わりを呼べ」「囚人には何て言います?」「8612番は独房にいると伝えろ。恐怖を与えろ」

面会日
「お前たちは、尊厳と自信、愛と幸せを体裁だけでも観すように。なかったとしてもだ」

「囚人に権利はない。ここではね」
「穴ぐらの話はするな」

2号室の盗聴…逃げた方が助けに来る

ジム教授
「刑務所の実験か。廊下で何人か見たが恐ろしき光景だったよ」
「一つ気になることがある。この県級の実験条件は何だ?」固まるフィル教授「失礼?」「結果に影響する条件は何だい?これは実験なんだろ?」「疑ってるのか?」「そうじゃない」「説明したいが、今は忙しいし理解してもらえるか分からない」「失礼した」「また休み明けに」

「残念ながらカイルは帰りました」…身内に不幸

4日目
819「来なかった。もう何日も経つのに」「まだ1日だ」「いいや、2日は経ってる」「そんなわけはない」「わからないだろ」「助けると言ったのに」「そうだけど。これは現実とか言ってたしな」「違うのか?」「おい、しっかりしろ。あと1週間だ」「1週間?ひと晩も耐えられないよ。服もベッドも奪われた。本物の刑務所でもしない」「するよ」
「医師と話がしたい」「そこで探してろ」

「君の名前は?」「4325番です」「調子は?」「悪くないと思います」「神父さんは何をしに?」「君たち囚人のみちびきとカウンセリングのためだよ。出所に向けて何をしてる?」「それは…どういう意味ですか?」「仮釈放は?」「知りません」「それじゃ弁護士に連絡は?」「いいえ。でも弁護士なんて…いるんですか?」「弁護士がいなきゃ話にならん」「実験に弁護士が必要?」「実験とはなんのことか知らんが、状況を理解しなきゃならない。しっかりするんだ」

「名前を教えてくれ」「819番?」「ひっかけじゃないよ」「819番です」「出所に向けて何をしてる?」「それはどういう意味ですか?」「簡単な質問だ」「意味が分からない。出所に向けてって…何のこと?」「落ち着いて。弁護士は?」「弁護士?おじが弁護士だけど…」「頼むといい」「落ち着いて。何も心配ない」「悪いけど医師か親を呼んでほしい。頼むから呼んでください」「大丈夫だ。少し落ち着こう。ここで少し休むといい」

神父「すばらしい試みです」…クズ

「819番は悪いことをしました」囚人復唱20回

「帰っていい。書類にサインして終わりだ」

5日目
「今は静かだが、学生たちが見せた変化には驚くべきものがある。すばらしいよ。今夜も楽しみだ」

416 番…ソーセージ

1037番…偽の犯罪歴
「仮釈放されるならその報酬を放棄しますか」「もちろんします」
「帰らせますか?」「1037番は壊れる寸前に見える」「仮出所させるべき?」「許可すれば簡単に出られると思われる」
「俺は再現しただけだよ。されたことをそのままマネしたんだ。連中の態度や無関心さをね。連中は…」立ち去りかけ「ジェシー、待て」「実験のためだと思ったが自分が嫌になった」「君は何も悪くない。手順に従ったまでだ」「手順?ずっと悪んできた相手に俺はなりきってたんだ。そして楽しいと感じた。俺の気持ちが分かるか?」
「1037番の仮出所を認めてくれ」

「俺たちはすでにこの実験の一部です。でももう実験ですらない。実際の刑務所です。求めてたけっかはもう出ているという気もします。言いたかったけど疑問を投げかけるのが怖くて。もし教授を尊敬していなければ、言えたのかもしれません。ふっ」「今は?」「ふっ、実験の影響を見て…囚人たちやジェシーに与えた影響を見て、今は思ってます。最後まで見届けるべきだと」「これは、予想以上だ。まさかこうなるとは。だが…重要な研究だ、私にとってね。結果は意義がある」「分かってます」「仮出所させろ」

「俺を見ろ。何が不満だ?」「看守と実験の管理者が囚人を人間扱いしてない」「ソーセージと関係あるか?」「看守たちは…」警棒で壁を殴りつけ「俺のことは、“看守殿”と呼ぶんだ」「看守殿。看守たちは実験のルールを守ってない。不公平な体制は認めない」「何を期待してたんだ?あっ?保育園でも想像してたっていうのか。お庭でたのしく遊べるとでも思ってたのか?法律を破っておいて保育園に行けると思うか?よく聞け。そのソーセージを食うまで穴ぐらからは出させねえ。分かったか」

「待ってくれ、どうした?」「心理学者なのにそんなことも分からないの?」「この研究は人の役に立つ」「あの子たちは学生よ。犯罪を犯したこともない」「仕事だしいつでも帰れる」「帰りたがってる。全員仮出所をせがんでた。びっくりした、やめればいいのにって。何を怖がってるのかって。あなたよ。あなたを怖がってる」「バカなことを言うな」「人としてどうなの?」「私情を挟めばこの業界では成功しないぞ」「はぁ」立ち去り「ヘイ、待て。お願いだ。君には分かってほしい、私の刑務所の苦労を」「あなたの刑務所?やっぱりおかしいわよ。囚人じゃないのよ。あの子たちは研究対象でもない。罪もない男の子なの。あなたは彼らを傷つけてる。どうにかすべきよ、今すぐに」「わ〜お、話は終わりか?」

「“ろくでなし”とは言えません」「驚いたよ。言ったよ」「意外だよ、ちゃんと言ったよ。こりゃめでたい」「折れたか」「今夜は早く寝られるかもな」「2093番、罰として腕立て10回だ」「ありがとうございます」

「この実験を…終了する。聞こえたか?実験を…今をもってこの実験は終了とさせてもらう。スタンフォード郡刑務所を閉鎖する」
「2週間分の報酬はもらえない?」
スタンフォード刑務所実験は8月20日に終了
開始からわずか6日後のことだった

2か月後
フィリップ・ジンバルドー博士
「当初は長く退屈な実験になるかもしれないと。まったく予想外でした。ここまで暴走するとは思いもよらなかった」

看守役
「自分なら違ったと思うでしょう。でも分からない。誰にも分からない。俺は自分がこうなると知って胸が痛い。それだけは確実に言えます」

囚人番号416
「すごく変だと思いました。でも誰も何も言わなかった。制服とサングラスと警棒でがらりと人が変わってしまう。俺はただの番号でした。実験ではなく本当の囚人になってたんです」

囚人番号2093
「自分を失う間隔でした。まるで…トムという人間が、消えていくような感覚です。本物の刑務所に思えました。俺にとっては実験ではなく教授が管理する刑務所でした」

「確かに苦しませてしまった。ですが…自分について学ぶことも多かったと思います。人間性についてもね。貴重な経験だったと学生の大半は思ってるはず」

その後学生たちと面談を続け後遺症がないことが確認された
実験後ジンバルドー博士は権力に関する心理学について広く教えることに注力し今も世界で講演をしている
マスラック博士とは1年後に結婚
現在も夫婦である

囚人番号8612
「この実験のおかげで俺は今も傷を負ってる」「どういうふうに?人の本性が怖くて?」「そうさ、君がいいヤツなのは知ってる」「本当に?」「君はいいヤツだ」「なぜ嫌う?」「変わると知ったからだ」「逆の立場ならどうした?」「分からない。やってないから言えない。でもおそらく君ほど、創意工夫は加えられなかったと思うよ。あそこまでできなかった。分かる?」「分かるよ」「看守として君ほどの名人にはなれない」「でも危害は加えてなかったと思うよ。侮辱的かもしれない。でもあれは俺の実験で…」「君の実験?どんな実験?」「個人的に試してたんだ」「詳しく聞きたいね」「どこまでやれば相手が歯向かってくるかを、知りたかったんだ。驚いたのは誰も俺を止めなかったことだ。誰ひとりやめろと言わなかった。俺を疑わなかった。衝撃だったよ。人を貶めるうちにひどい人間になっていったが…何も言われなかった」

20240205 0130
Garararara

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