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最高の花婿/ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲のbebeのレビュー・感想・評価

3.9
家族、人種、結婚、差別

結婚のあり方が、そもそも多様化している中で。
歴史はどこまで遡らないといけないのか?
最近の若者はもはや、歴史の「経験者」ではない。歴史的な加害者意識も、被害者意識も、伝聞でしかないのでは。

フランス人、ブルジョワ、保守、の両親は偏ったキャラ設定である一方で、ごくありふれた人格のようにも見えた。

今どき、結婚の意義も薄い。実際、フランスではPACSこと、民事連帯契約なる、成人同士の共同生活を結ぶ契約があるそう。結婚と何が違うのと。

そんな、割合と現代にクリティカルな問題を扱いながら、コメディでポンポン進むことリズムが心地よい。親世代と対置される「若者」の世界のエネルギーを感じた。「若者」といっても、いわゆる「青春」のような淡さはない、大人の「結婚」にまつわるエトセトラだけれど。

ゼクシィの、「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私はあなたと結婚したいのです」の一節が何度も思い浮かんだ。
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