1862年、南北戦争での実話に基づく物語。
ニュートンの14歳の甥が徴兵される事になり、共に戦場へと向かう事に。
逃げ惑う術もなくあっけなく散ってしまった14歳の命。意識ある中、ニュートンに看取られ一人で旅立つ瞬間は怖かっただろう。
悲しみに暮れたニュートンは、甥の亡骸をどうしても家族に届けようと南部軍を脱走する事に。
脱走兵となり身を隠す中、黒人奴隷達と出会う事になるニュートン。
怪我をしたニュートンを手当てした黒人もまたそれ以上の怪我を負っているのですが、黒人達の優しさに触れ、心を通わせていく様子にいたたまれない気持ちになりました。
肌の色なんて関係なく同じ心の痛みを感じる事のできる人達。
それぞれに家族がいて、離ればなれになり苦悩するからこそ、家族に会いたくて生きる希望を持つことができる境遇が辛い。
お互いに手を取り合い、自由を取り戻す為に戦う決断をしたニュートンは、差別意識のある人には得られない、かけがえのない絆を手に入れたのだろう。
そしてやはり、逃げ惑う中、心の拠り所になる物は本であり、字の読めない仲間に字を教え、自分の持つ知識と考えを共有する前向きな姿には共感しました。自分の身は自分で守る事が大切であると思わされました。
何が正しくて、違うのかを自分で判断し、行動するニュートン。
共に行動した仲間は誰かにとっては価値のない命でも、誰かにとってはかけがえのない命。
南北戦争終結に向けての過酷な戦いを描いたこの物語。奴隷解放が法律で認められても人の心は簡単には変わらない現実。
一つ前に進む為に乗り越えなければならない一つの信念。
過去と現在が繋がっていく物語。
マシュー・マコノヒーの渾身の力のこもった演技は素晴らしかったです。
