アキラナウェイ

ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

3.4
近所のGEOにないから遠くのTSUTAYAまで借りに行ったよシリーズ その23

何だこれ!?
にゅーとん・ないと!?
知らん知らん!!と慌てて確認したら、
「TSUTAYA先行レンタル」…。

GEO民よ!!
また知らぬ内に我々はTSUTAYA民に虐げられている!!
在庫数で遥かに劣勢に立たされている我が同胞GEO民よ、立ち上がれ!!

とか言いつつ、敵陣でレンタルしてきてちゃっかり鑑賞。

南北戦争時代、南部連合軍の一兵として戦線に立ちながら、目の前で甥を亡くしたニュートン・ナイト(マシュー・マコノヒー)は、甥を埋葬してやる為に戦線を離脱。その後脱走兵として追われる身となる。連合軍脱走兵を束ね、勢力を拡大し、「ジョーンズ自由州」を作った事で知られる。

南北戦争を扱う映画自体珍しく、かつ、南北の戦いではなく、リンカーン以前に奴隷解放を説き、自由を愛した男として南部連合軍に対抗する様が描かれている事に俄然興味が湧く。

沼に潜伏し、逃亡兵、逃亡奴隷を匿い、南部連合軍を手玉にとって返り討ち。馬では沼地を侵攻する事が難しく、正に地の利を生かした戦略。

ロビン・フッドを彷彿とさせる様な義賊。
白人も黒人も1つとなって戦う姿はアツイ!!

こんな人物がいた事も、
こんな戦いがあった事も知らなかった。

ニュートンの演説が胸を打つ。

テーマとしては十分面白いのに、85年後にニュートン・ナイトの孫にあたる女性(どう見ても白人)が、1/8は黒人の血を引いている事で、白人男性とは結婚出来ないとする裁判の様子が要所要所挟み込まれる。人種差別がその後も絶える事なく実在した事を印象付けたいのはわかるが、個人的には蛇足に思えたし、些か中途半端に終わってしまった様な。

実話モノにありがちだけど、これから最終バトル!?と期待させておいて、エンドロール突入、後はテロップと実際の写真で幕を閉じてしまうというのも、尻切れとんぼな印象に。

いや、でもマシュー・マコノヒーが、実際のニュートン・ナイトその人にそっくりでびっくりしたけど。

南北戦争って、同国民同士の内戦な訳で。
アメリカがあまり多くを語らない、その歴史の隙間の部分に光を当てただけでも、この映画は十分価値がある。