少年から青年へ、12歳から16歳の記録
ギャングエイジの頃、子どもだけの世界や暗号があるものだけれど
彼らは踊りという“言葉”で会話をする、
それが心底かっこいい。
バレエスクールの卒業を控えて、踊りで食べていけるダンサーになれるのかどうか、
まだ何者かになる前の少年たちの苦悩とその美しさ
名のある誰かの過去の記録ではなく、
有名無名を問わず誰もが通り過ぎたはずの青春の光と影。
それはつまり、誰だってこんな風に何かになる前の原石であって、
ぶつかり合って、
時には親友、時にはライバル、
近いが故にあらに気付きすぎたり、
気遣い過ぎたり、勝手に寂しくなったり、
とかく厄介な時期だ。
だから、苦しい、
だけどそんな日々が後から考えたら一番純粋に
真っ直ぐに
自分の苦しみと向き合えた時期で、
本当の煌めきはそんな頃にあったとのだと知る。
彼らが眩しいのはきっとそのせいだ。
たとえどの子も名のあるダンサーとならなくとも、
私は忘れないでいるよ、
その輝きから元気をもらったことを。