シネラー

ゴースト・イン・ザ・シェルのシネラーのレビュー・感想・評価

2.5
「攻殻機動隊」をハリウッド映画化した
本作を初鑑賞。
流石のハリウッド製作でCGや世界観のクオリティは高いものの、
どこか既視感の強いSF的な絵面と展開に
平凡さを感じてしまう作品だった。

電脳化が進む近未来を舞台に、
自身の過去の記憶が作られたものだと
分かった公安9課のミラ少佐が、
事件を追いながらも自身の過去を
辿っていく内容となっているが、
原典オマージュを絡めながらの
高いCG表現は良かったと思う。
吹替版がアニメ版と同一なのも
好感が持てるところだった。
スカーレット・ヨハンソンの少佐も
特に違和感ないのも良かった。
(逆にトグサやイシカワといった
キャラの人種の方が違和感ある。)

しかしながら、
実写映画化した事で
『ブレードランナー』や『マトリックス』
といったSF映画からの既視感があり、
そもそも原典がそれらの作品に影響を
与えて受けている作品な為に
仕方ないところだが、
映像としての真新しさが無いのが残念だった。
加えて、特に少佐に感情移入する事なく、
淡々と物語が進行して気づいた頃には
エンドロールとなっていた印象で、
折角の題材も薄味に感じられた。
アクション場面に関しても
スローモーションの多さが気になり、
不要な部分が多いと思えた。
原典のファンとしては、
荒巻課長のビートたけしの配役は
ヤクザ染みていて違和感あるところだった。
少佐が追うツゲに関しても、
アニメ版が良いキャラをしていただけに
劣化した凡庸キャラとしか思えなかった。

シリーズ初見では良い入門編かもしれないが、
ファンとしては不満が多くなる
実写化だと思った。
一週間位したら本作の内容を
電脳化・義体化による記憶操作を
受けなくても忘れていそうだ。
シネラー

シネラー