せびたん

エヴァリーのせびたんのレビュー・感想・評価

エヴァリー(2014年製作の映画)
3.8
「チレラマ」「ジョン・ディーの魔導書」「ゼットインク」で(私に)お馴染みのジョー・リンチ監督のヤクザ映画!
ヤクザによって娼婦に落とされた女の復讐が始まる一夜の話。
この監督、私の中では「もうひとりのリンチ」として有名な監督さんでもあります(´∀`)

公式の粗筋読んでから観始めますと、え?こんな始まり方でこんな展開なのっ?て驚くと思います。警察の情報屋になってヤクザの親分を裏切るくだりが出てこないんです。裏切りがバレたところから始まりまして、ほんの数分(体感時間)で話の核心に入っていき、以降は見せ場が続く感じでした。B級ノリの面白展開もありました(母娘の会話が異様に長いとか)。

粗筋がつまらなさそうなので(前半まるまる裏切るまでの話だったら退屈しそうとか思った笑)ずっと手が出なかったんですが、こんなんならもっと早くにみとけばよかったです。ちょっとだけエログロで親子の愛情にも言及する人間賛歌なB級アクション映画でした。

それにしてもこれがなぜこんな低評価なのかっ!て言いたかったけど、B級ノリだし辻褄気にする人には無理めだし、しかたないかなって思いました。私は自分の人生の辻褄を合わせるのが精いっぱいなんで映画の辻褄まで気が回らないので楽しめました(←うまいこと言ったつもり笑)。

前にもこの監督の作品観てて日本趣味を感じたことがあったけど、本作はタイトルクレジットがカタカナ縦書きの『エヴァリー』。日本人としてはちょっと嬉しいことですが、同時に戸惑うことでもありました。日本人俳優がヤクザ役と変態役で出演してたり、なまはげなんだかよくわからないマスクマンが出てきたり、なんていうか偏った日本観を持っておられるような気はしたけど、私の映画においてのスペイン・南米趣味もまた現地の方から見たらこんな感じかもしれないのでスルーしときます。

ジョー・リンチ作品を私の好みで言いますとデスメタルを歌うことで悪魔と闘う「ジョン・ディー」と「チレラマ」が圧倒的に面白いんですが、これも面白かったです。
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