かこじ

アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発のかこじのレビュー・感想・評価

3.0
ホロコースト虐殺を解明する鍵として超有名なミルグラム実験。
余りにも衝撃の結果だったため、当時も今も論争を巻き起こした。
本作はそのミルグラム博士にスポットを当てている。

扱うテーマがセンシティブなためか、この映画自体が凄くトリッキーで実験的な作り。
博士が観客に話しかけたり、博士の背景に象が闊歩したり、劇中劇で同じ論争を繰り返したり。

彼が行う実験は「どっきりカメラ」的で、被験者を騙す要素が多く、その倫理的問題を指摘されていた。

この映画も、ミルグラム博士を擁護したいのか、非難したいのか、どっちつかずでフラフラしてる感じ。
でも、「人は命令に服従する」という心理結果を持って、ただ諦めてはいけない。
それを認識したうえで、「自分たちに命令し、操ろうとする存在に抗え」というメッセージは明確だと思う。

しかし、『アイヒマンの後継者』という邦題はいかがなものか?せめて「アイヒマンの分析者」かな。
ウィノナ・ライダーは久しぶりに観たけど、綺麗だった。
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