rage30

アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

スタンレー・ミルグラムのミルグラム実験を描いた作品。

ネット上で見聞きした覚えのある、ミルグラム実験がどんなものだったのか、きちんと知れたのは良かったです。
自分だったら、どうするか?と考えてみても、やっぱり「あなたに責任はありません」と言われたら、やっちゃうんだろうな~と思いました。

「自分はやらされてるだけ…ある意味、自分も被害者である」という言い訳、開き直りが出来た瞬間に、人間はいくらでも残酷になれるという事。
これってSNS上での誹謗中傷、差別やヘイトへ向かうメンタリティーとも近いものを感じますし、ハンナ・アーレントの言う「凡庸な悪」という言葉の意味を、より実感をもって理解出来た気がします。

あとは、同調圧力的な実験だったり、テレビのどっきり番組からインスピレーションを受けるのも面白いところだったかな。
ただ、スタンレー・ミルグラム自身は特に変わった人生を送ったわけでもないので、伝記映画としては、ちょっと弱い印象。
あくまで、ミルグラム実験について知ったり、考えたりする為の映画だと思うので、題材に興味があるのならオススメの作品です。
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