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アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.3
原題Experimenter(実験者)『服従の心理』で有名なスタンレー・ミルグラム博士の伝記ドラマ。

1961年に行ったミルグラム実験(アイヒマン実験)を軸にして、実験の内容、結婚、その後、実験の倫理性を批判され世間からバッシング、やがてNYで教授のポストを得た後の心理実験など。
時々博士が第4の壁を破ってこちらに内面を吐露したり実験の背景を解説してきたりする。

ミルグラム効果(ある条件下であれば普通の人間でも非人道的な行為を行う)については既知の情報以上のものはなかったけれど、他に彼が行った『スモールワールド現象(人は最大6段階で繋がれるという友達の友達のアレ)』『手紙の紛失実験』などの再現が面白かった。

2度現れる象は『触れちゃいけない話題』の比喩なのかなあ?

何気なく味のある俳優さんが揃ったキャスティング、博士(ピーター・サースガード)妻サシャ(ウィノナ・ライダー)他にアンソニー・エドワーズ、アントン・イエルチェン、ジョン・レグイザモ。

ストーリーは淡々としており、過度な演出や脚色は控えめ、落ち着いて観れる作品だった。