他人の幸せを純粋に願えるなら。
たったひとつだけ願いが叶うならば、何を願うのか?
金かはたまた愛なのか?
大人になればなるほど抽象的になり、その無垢な感情が失われていく中、やはり彼女たちは無垢であるがゆえに私たちの心を離さないのだろう。
魔法少女ユキコは絶望への始まり
魔法つかいモフルンは希望への架け橋
序盤のモフルンがみらいやリコたちの願いを叶えてやって欲しいという無垢で真っ直ぐな思いに胸を打たれて思わず泣きそうになってしまった。
人は常に誰かの側にて誰かを癒し、人は常に誰かの側で癒されている。
他人を愛せ…なんて、どこの信仰宗教だ!と言われてしまうような無垢さもプリキュアという夢のある虚構から媒介されると弱い。
まほプリは従来のシリーズからするとキャラ萌えに走りすぎたきらいが強く入り込めなかったが、劇場版ともなると本来伝えたいであろう”ささやかさ”沁みてくる。
バトルシーンの箒アクションは必見までとはいかないが、やはり楽しいし、声優陣営の熱演も程よい。高橋李依の純度の高い声質と真っ直ぐさは、何より熱の電導率を上げてくる。そして齋藤彩夏の今シリーズにおいてのプリキュアになれたことは長くプリキュアを見ていると感慨深い。
シリーズの中では傑作とは言えないが、他人の幸せを願える少年少女、大きなお友達が増えてくれることを切に願う。
ただカタルシスのために命に対しての価値観の相違は少しばかり感じてしまった。
グラムぅさん、間に合いました。見られましたよ。