カッコつけた箱根の風景ではなく、親しみのある箱根に彩られたロード・ムービー。
ロード・ムービーというと決めた画が多用されるものが多い。だが、本作は異なる電線が通っていたり、汚くもなく綺麗でもない蕎麦屋があらわれたり、箱根の温泉が登場することはない。
この映画にあるの先述したありのままの箱根。そして、ありのままの男と女だけだ。一人は、おっさんと呼び。もう一人は、己の吐き出すままにエゴを投げつける。そんなありのままの二人だ。
映画の作りもそうだ。何度も何度も回想と現在が繰り返され、二人の感情の変化を描く。これもありのままだ。
そんなありのままが好きな人はこの映画を好むだろう。