熊犬

アンフレンデッドの熊犬のレビュー・感想・評価

アンフレンデッド(2015年製作の映画)
3.5
【お勧めの鑑賞方法はPCで全画面表示】

原題:Unfriended

ある町で女子高生のローラがSNSで恥ずかしい映像を公開された挙句のいじめを苦にして、ネット上で公開自殺をしてしまう。
一年後・・・ローラの幼馴染ブレアは仲のいい友達数人とSkypeでグループ通話をしながら盛り上がっていた時に、映像も映さず話もしない不明なユーザー"billie227"が紛れ込んでいる事に気がついた。
通話から追い出そうとするも出来ず、仕方なく無視する事に。その時、グループ内のメンバーのFacebook上で、別のメンバーの恥ずかしい写真が公開された…グループ内の雰囲気が徐々に険悪になっていく中、billie227がローラの告発映像を公開する…
これはローラの呪いなのか、あるいは何者かの復讐なのか…
…な映画。

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ここ最近ちょいちょい見るPOVから派生した亜種、全編PC画面系の映画。このジャンルの映画の中で、この映画が長編では一番最初のやつじゃないかしら。少なくとも、この規模でやったのは最初だと思う。それに関してはこの映画の大きな功績じゃないかな。

このタイプの映画、POVとホラーの相性の良さはそのままに、観客が実際にPCを操作してオンライン飲みやチャットに参加している様な気にさせてくれるのが、まさしく進化系。体験型映画として良いですよね、大好きです。映画を観る、という行為を意図的にぼやかす事で、臨場感がどんどん増す。なので、テレビではなくPC画面とかで見る事をお勧めします。凄い楽しいから。

映画のストーリー自体はいわゆる胸糞展開だという事以外、取り建てて捻りが効いているわけでもなく、ある意味とてもスタンダード。でもそれは今だから言えるわけで、やっぱりこの手法を確立させたことは大きな功績だと思う。それで商業的にもちゃんと成功させているというね。

映画としてちゃんと面白いですし、時間も適度に短くて、個人的にはお勧め出来る映画です。ただ映画館で観たい感じかというと…うーん…やっぱ家でPC画面で観るのが一番いいと思います。なので、配信向けな一本。

超余談ですが。 その昔、Pocket Film Festivalという映画祭がありましてね (今もあるのかな?)日本では初開催2007年。恥ずかしながらその映画祭で、全編携帯電話の画面という作品を撮ってエントリーした経験がありまして(一応モバイル・ディスプレイ部門で当日上映作品までは残ったりしました)。当時はガラケーだったんで、メール画面とカメラの動画という形で作りましたが、他にもいくつかそういう作品がありまして。
というわけで、短編ではこういう映画はもっと全然前からあったんでしょうけどね〜、という話。編集や撮影技術、資金力に劣るアマチュア映画なんかは特に。

■本日のビール『Passion Fruit Milkshake IPA』
醸造所:Tired Hands (アメリカ / ペンシルバニア) & Omnipollo (スウェーデン)
新しいジャンルが出来るって事は、ジャンルが存在しない状態でものを作って、それが認められるって事で。今ではビールスタイルのいちジャンルとして認められたミルクシェイクIPA。それを最初に作り開拓したのはタイアードハンズとオムニポロという超有名醸造所のコラボ。時代が作られるのを見られて幸せ…!
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